◆ツール・ド・サド  赤澤東洋

  ◎2009年5月13〜16日
  ◎メンバー:赤澤、坂井


 笹崎、西田組の佐渡山行に合せ、坂井さんと自転車で佐渡一周してきた。
 5月13日(水)朝一番の電車で出発。テント等の入っ た自転車は25kgを越え、駅までは車で妻に送って もらった。高崎、水上、長岡と三度電車を乗継ぎ三条 にて下車、駅前で愛車を組み立て、国道8号線を新潟 へ向かったが、広くて走り易い道路に田中角栄氏の顔 を思い出したものだ。途中、道の駅「黒埼ふるさと村」 で幕営を始めると、テントはダメと断られてしまい、 仕方ないので又愛車に跨り新潟市内へ入り、フェリー 乗り場の近くの海浜公園の東屋のベンチを今宵の宿と した。
 真夜中の1時頃、なんか怪しげな気配があり目を醒ますと目の前のベンチに変なお婆さんが座っているので、ビックリ。「何やってんですか?そこで?」思わず大声を出してしまった。暗闇に浮かぶその頭はボサボサ、昔の化け猫映画に出てくる毛利菊枝みたいな婆さんで、イヤー驚いたのなんの。「私はね、掃除してるんですよ」と言う。レジ袋1つ持って、真夜中の1時に掃除なんて、そんなのあるか?と思い、思わず椅子やテーブルに置きっぱなしの荷物に目をやってしまったのだった。無精せずにテントを張るべきだった。気味の悪い婆さん。いったい何なんだ!?
 新潟港から朝一番のフェリーに乗り8時半両津着。自転車は郵パックで送り、自らは新幹線とジェットフォイルを乗り継ぎ、お昼頃到着予定の坂井さんを待たず先に出発する事にし、まずは両津湾のずっと先に見える姫崎を目指し南下した。行き交う車も少なく、ペダルを踏む足も軽やかだったが、姫崎を過ぎ東海岸に出るとまともにアゲインストの風に吹き曝さらされスピードがガクッと落ちた。自転車は雨も困るが、向かい風も嫌なものだ。頻繁にギヤを入れ替えて懸命に漕ぎ続ける。
 次第に腹が減ってきて食堂を探したが、食堂どころかコンビニもない。まあ、そんな事もあろうかと、用意していたお握りと菓子パンを囓り、赤泊で坂井さんに電話し「両津で食事済ませた方がいいよ」と情報を流す。
 両津から5時間程で、小木ユースホステルに到着。オバさん1人で切り盛りしている民宿で、建物も古く今夜の客は我々2人だけであまり流行ってないようだ。近くの温泉に入り、所在なく大相撲の中継を見ながら坂井さんを待つ。たちまちロング缶が3本。5時半坂井さん到着。4時間半で来たという。ウーン。なかなかの脚力。ヤア、ヤアと友達と飲む酒は又一段と美味しいのでありました。
 15日(金)、今日は尖閣湾までの60kmなので、ノンビリと8時に出発した。1人で走るのも悪くはないが、やはり仲間がいるのは何といっても心強いものがある。佐渡最南端の宿根木を大きく回り込み、進路を北上にとると、とたんに風が出て来て、波が荒くなる。素浜海岸に抜ける山道は佐渡一周コース屈指の心臓破りの上りがあり、これがキツイのなんの。思わず立ち止まってしまうのだった。下りて手押しで行きたくなる所だが、この手押しも結構つらいものがあり、結局休み休み漕ぎ上るしかなく、海岸線に戻ると心底ホッとした。荒海から吹き付ける潮風が本当に心地よい。
 3時間程で真野町に入り、佐渡歴史伝説館を見学し、佐渡の歴史を学んだ。からくり人形の仕掛けが面白く、一見の価値ありだ。北朝鮮から帰国したジェンキンスさんが、ここのお土産屋さんで働いていた。
 出発から6時間半程で尖閣湾・姫津のユースホステルに着いた。小綺麗な建物で、なかなかいい感じの宿だ。近くの岩場で釣りをしている人達がいたが、真鯛を狙い新潟から来たという。魚籠を覗くとアジが10匹ほど泳いでいた。鯛は滅多に釣れないが、それでも懲りずに通ってくると屈託無く笑う。  16日(土)7時半出発。まずは外海府に沿い大佐渡の最北端二ツ亀を目指す。岩谷口から大野亀にかけては、一周コース最大の難所Z坂が待ち構えていた。交通量が少ないのがまだしもで、あまりのキツイ勾配に「ヒエ−」と思わず音を上げ、坂井さんと顔を見合わせてしまうのだった。消耗激しい上り坂を何とか歯を食いしばって克服し、出発から3時間程で大野亀に達し、その先二ツ亀のホテルで美味しい海鮮丼で昼食とした。ここまでくればあとは山登り組の待つ両津まで一気に南下するだけだ。こちら側は内海府というらしい。途端に波が静かになる。この差が面白い。  出発から6時間半、両津の秋津温泉「やまきホテル」到着。これで210kmの一周コース達成だ。到着と同時に雨が降り出し、皆を気遣いながら温泉の大きな湯船に浸かり登山組を待った。6時半頃びっしょり濡れながらも皆さん元気に到着。自転車組も山登り組もそれぞれに目的達して、大満足。ヤアヤアと和気藹々、大宴会となったのでありました。
 西田さん、笹崎さんいい企画有難う。



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