◆シリウス設立5周年記念山行―上州三峰山と稲包山

日時: 2010年5月29日(土)〜30日(日)
参加者: 川崎、藤野、斎藤(光)、名倉、西田、笹崎、服部、中道、赤澤(CL)
報告: 赤澤

 「山なかま・シリウス」は今年設立5周年という節目の年を迎えました。
 5年前、設立記念に目指したのは上信越国境の稲包山でしたが、残念ながら途中の「キワノ平ノ頭」にて退却の憂き目と相成り、今回はそのリベンジをする事にしました。

 初日は足慣らしに上州三峰山(1123m)に登りました。参加者は川崎、藤野、斎藤、名倉、赤澤の5名です。
 関越自動車道が月夜野ICに近づくと右手に頂上が真っ平らな山が目に飛び込んできます。
 台地状の特異な山容から日本のテーブルマウンテンと言う人もいますが、ちょっと苦しい所ではありますがまあそう言われればそう見えなくもありません。
 標高は低いし、展望は利かないし、特に花が綺麗という事もないしで地味な山ですが、一応群馬百名山にも選ばれています。
 南から追母峰、吹返峰、後閑峰の三峰があり、そこから三峰山と呼ばれているようです。
 まあ人が少なくて静かさが取り柄という位のマイナーな山ですが、たまにはこういう山もいいかなと思いご紹介する事にしました。
 それに何よりも車で標高800m近くまで入れてしまうので楽なのです。年寄り向きというわけです。
 神社の参道を少し行き石段を登ると河内神社があります。
 日本武尊を祭神とし、正月には初日の出を拝む参拝客で賑わい、甘酒のサービスも出ると聞いています。
 沼田盆地の展望が開け随分登ったなあと思いますが、実際はまだ10分位歩いただけです。
 神社の先にはパラグライダーの離陸地がありました。
 アカマツの中に開かれた登山道は広く、よく整備されていて幼児でも安心して歩けそうです。
 生憎天気はイマイチで、ガスってきましたが、アップダウンも緩やかで、このメンバーでは皆さん物足りない思いではなかったでしょうか。
 それでも主峰の後閑峰まで2時間程かかりました。
 晴れていれば樹林の先に谷川連峰が見えるのですが、生憎の天気で視界が得られないのは残念でした。
 下山は来た道を戻り途中で右へ折れて三峰沼へ寄ってみました。
 新緑の中にひっそりと佇む山上の沼で神秘的な雰囲気は感じますが、これは地元の農家の灌漑用に開かれた溜め池なのだそうです。
 岩魚でもいそうですが、棲んでいるのは鯉と聞いて少し興が覚める思いがしたものです。
 途中、田舎のスーパーで買物をすませ、笹崎さん、西田さんと猿ヶ京の「まんてん星の湯」にて無事合流、温泉でたいしてかかなかった汗を流し苗場の浅貝にある私が友人と共有している山小屋へ向かいました。
 中道さん、服部さんは先に到着し、お待ちかねです。
 笹崎さんがこの日のために釣り上げてきた、マダイ、サバ、イナダ、サメを目の前でさばいてくれました。
 西田さんからは新潟の酒、その夜大いに盛り上がっただろうことはご想像にお任せします。

 翌日、稲包山(1598m)に登ったのは川崎、藤野、斎藤、名倉、服部、中道、赤澤の七名、西田さんと笹崎さんは山菜採りへと土地勘のある野沢温泉へ向かいました。
 稲包山は三国側よりも向う側の四万温泉や中之条町側の里人に古来から農業信仰の山として親しまれており、山頂の石宮は文化元年(1804年)建立という記録が残っているそうです。
 山開きは6月の第一日曜日に行われ、子供達や家族連れの参加で賑わうようです。
 前回は三国峠から国境稜線ルートを辿りましたが、長丁場だった事もあり失敗しましたので、今回は最短ルートの東電の巡視路を使わせてもらいました。
 最近は一般のガイドブックにも紹介されるようになりましたが、以前は隠された裏道として地元の人だけが知っていた秘密のルートでした。
 赤沢スキー場入口で法師温泉への道と分かれムタコ沢沿いの林道を行く事数分で、左へ行く簡易舗装の道と直進する砂利道の分かれ道があり、砂利道を直進すればすぐ数台程度の駐車スペースがあり、そこが登山口となります。
 生憎の霧雨の中、この程度ならと勇躍出発しました。
 しばらくは薄暗い杉林の中、ジグザグと登る湿った道が続き、ヒルでも出てきそうで幾度となく足元をチェックするのでした。
 歩き始めて1時間程で杉林が終わり少し開けてくると第一の鉄塔(1230m)となりました。
 本来ならこの辺で国境稜線の展望が開け歓声を挙げる所ですが、生憎今日はガスに覆われ視界数十メートルという有様、雨男、雨女は誰? この先で道は左へ直角に折れ広葉樹林帯へと入り込み、息もあがり漸く登山道らしくなりました。
 川崎さんが「昨日とはエライ違いだなあ」とのたまい笑いを誘っていました。
 40分程で開けた草地となり第二の鉄塔に着きました。
 こちらは本格的に大きな鉄塔で、周囲に張り巡らされたネットは土砂崩れ予防の為でしょうか。
 霧雨は本格的となり、本来ならここから稲包山の円頂が真近に仰ぎ見る事が出来るのですが、残念です。
 この先は水平に行く事10数分で、赤沢峠からの一般道と合流しました。
 真新しいクマの糞を横目に30分程頑張ると、人声が聞こえ、樹林の切れた所が稲包山の山頂でした。
 登山口から2時間強、時間的には昨日とあまり変わりないのですが、こちらの方がずっと登り甲斐がありました。
 山頂はシャクナゲが真っ盛りで、そのピンクの鮮やかさに目を奪われました。
 足元の可憐な白い花はバイカオウレンでしょうと斎藤さんが教えてくれました。
 展望が利かないのは誠に残念ですが、ピンクのシャクナゲと白いオウレンにお目にかかれたので、今日はまあまあという事にします。
 下山途中地元中之条町の元気な小学生達と出会いました。この山が地元に親しまれている事がよく分かりました。
  打ち上げは法師温泉です。
 大浴場は混浴で何人か女性が入っていましたが、我が隊の女性陣には敬遠されてしまいました。

 かくして5周年記念山行は無事終了致しました。
 5年前の設立記念の際は、11名が参加されましたが、そのうち4名に今回も参加して頂きました。
 この間、会の生みの親別所さんや長老猪瀬さんがお亡くなりになるなど、人の出入りも少なからず見られました。
 5年という月日は決して長いものではありませんが、そう短くもないという事かと思います。
 この先5年後、10年後も又お会いしたいものです。
 皆さんお健やかでありますよう。

 



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