日程: 2014年2月3日(月)~4日(火)
メンバー: 赤澤(L),塚本、西田、萩原、名倉
報告: 赤澤

 

 
湯ノ丸山の山頂にて   村上山の山頂にて
 全国的に3月下旬から4月中旬の暖かさとなるという2月3日朝9時、関越道上里SAにて塚本車と合流。ツカさんは4日前に急遽参加申込みがあったもので、お陰で車2台となり一度は諦めていたトミさんも参加出来ることになって大喜びだ。しかも湯ノ丸山塊は何度も通っていて詳しいらしい。オーさんが風邪でドタキャンとなってしまったので、何とも心強い限りだが、酒はあまり飲まないという。「アリャ リャ。大丈夫かいな」いらぬ心配をする。<長い夜 間が持つかなあ?>
 行く手に見え始めた浅間山は中腹に黒い岩肌が目立ち例年に比べて随分雪が少ない。碓氷峠の幾つかのトンネルを抜け、佐久平PAに出ても雪がない。ここにはバブルの頃オープンした佐久スキーガーデンパラダというスキー場があり都心から最短距離、PAから直行出来るスキー場として人気があったのだが、南斜面にはまったく雪がない。スキー場の経営もこれでは大変、あがったりだろう。
 上信越道小諸ICから道端に石仏の並ぶ県道94号線を辿り、10時半地蔵峠(1732m)着。広い駐車場、車の数はまばらで閑散として寂しい限りのスキー場。それでもリフトが動いているので、迷わず活用させてもらう。1回券500円の所、シニア割引があり300円。これはいいシステムだ。「年寄りは大事にしなきゃあ」ツカさんの言葉に高齢者御一行「そうとも、そうとも」と頷く。
 早速窓口で登山届けを提出しリフトに乗る。終点まで高低差100m程あり、歩けば25~30分の所、リフトなら5分だ。下りた所でスノーシューをつける。久しぶりに履くせいか、戸惑っているお姐さん方を見て、ツカさんは優しくて親切だ。ガムを噛みながら一人、一人声をかけ、マメに締め具を確かめたり、ストックを調整してあげたりと大活躍。こちらは感心して只見てるだけ。面倒見の良いこういう所は見習わねばならないのだが、昔から気が利かないと言うか 気がつかないというか鈍感だったからなあと若い頃を思い出したのだった。
 青い鳥求めて婚活中のある年、会社の後輩とスキーバスを利用し志賀高原へ行った時の事だ。バスの中で可愛い子を見初め、アタック開始、一緒に滑ったのはいいのだが、彼女が転んでもこちらはストックで「早く起きろよ」と尻をつつくだけ。ところが後輩はさっと駆け寄り手を差し伸べるというわけで、後輩にかっ攫われてしまったのだった。最初に目をつけたのはこっちだったのにと恨めしく、彼等の結婚式の時花嫁さんに「なんで?」と聞くと「だって優しかったから」というお答えで当方「ギャフン」。いつまで続くかトホホな人生。失恋ばっかりだった遙か昔の苦い思い出なのであります。
 カラ松林と牧場の有刺鉄線の間を緩く登って行くと、小綺麗な東屋が建っていて小休止。例年なら雪の中に埋まっている牧場との境界線の鉄条網が半分以上地上に出ていて、雪の少なさを実感する。この付近一帯無雪期にはレンゲツツジの群落が見られ、ツツジ平と呼ばれている所だ。その先からはやや急な尾根筋の潅木帯となり、まともに風に吹き付けられた。東京は暖かく17度にもなったというが、2千㍍の稜線は風が冷たく体感温度は確実に氷点下という感じだった。
 歩き始めて1時間40分で湯ノ丸山の頂上に出た。好天なら鹿島槍等北アルプスの展望台なのだが、今日は残念ながら手近の四阿山も雲に隠れ、わずかに篭ノ戸連山や明日予定している村上山が見えるだけ。遮るものない吹きっ曝しの頂上は風で飛ばされてか雪が無く岩屑剥き出しでスノーシューでは歩き難く、身を切るような寒風に5分といられず写真を撮っただけで早々と退散した。
 下りは正面に西篭ノ戸山や湯ノ丸スキー場第六ゲレンデを見ながらスイスイと下ったのだが、油断大敵、トモ姐さん、エッジで雪を引っかけたのか躓いて5~6㍍も滑って転んで一回転、一瞬ヒヤッとさせられたが、大丈夫なようだ。それ程の急斜面でなかったのも幸いしたが、日本舞踊を続けているせいで柔軟なのかもしれない。
 15時、地蔵峠に無事帰着し、この夜の宿新鹿沢温泉「つちや」旅館に投宿した。大正時代に火事で鹿沢温泉街が全焼し紅葉館一軒だけ残してこの地に移転し、新鹿沢温泉と称するようになったものという。スキーシーズンなのに客は私達だけらしい。温泉は45度のアルカリ性炭酸泉。「温泉はいいなあ。これぞ日本の文化」と久しぶりの温泉を堪能し反省会となった。アルコールが入ると話はあちこち飛び始めたが、結局の所、話題が病気の話になってしまうのはこのメンバー構成上仕方ないのか。ツカさんの無呼吸症候群の話から始まってああでもない、こうでもない、つられてこちらも「最近胸が苦しくなって朝方寝付けない事がある」と告白したものだから、トモ姐、マリ姐お二人のお姐さん方に「なぜ医者へ行かないのか、ほっておいたらダメ」とキツクお叱りをうけてしまった。イヤハヤ。
 ともあれツカさんの1日中1ヶのガムをずっと噛んでいる(食事中も口の中)という話に呆れるやら笑うやら、大いに盛り上がり<間が持つかいな?>という危惧は杞憂と化したのでありました。

 2日目、天気予報は昨日の暖かさから一転して寒波来襲、東京にも降雪注意報が出たとかで、どんよりとした空模様の中、予定通り村上山に向った。鹿沢高原休暇村の駐車場から整然と植林されたカラ松林の中をゆっくりと登った。昨日に比べ雪は固く締まりツボ足でも行けそうなのだが、油断するとボコッと潜るのでスノーシューでガリガリと歩く。樹林帯の登路は展望は利かないが急な個所もなく歩き易い。1時間余り来た地点でトモ姐、やはり昨日の転倒の影響かストック使うと肩が痛いというので、おトミさん、マリ姐さんお二人をツカさんに託し3人で頂上を目指してもらう事にして、トモ姐と2人で樹林帯の中で待つ事にした。平坦な所を探し、雪のテーブルを作り、コーヒーを沸かす。取り留めない話をしながら待つ事1時間半、無事頂上を踏んできた3人が元気で戻ってきたので暖かいコーヒーでねぎらい揃って下山した。休暇村レストランで遅い昼食を摂りそこでひとまず解散、二手に分かれ帰路についた。佐久は無雪だったが、碓氷峠を抜けると一面真っ白な雪景色の関東平野でそれが又新鮮だった。
 2日間共、誰とも出会わず貸し切り状態、気心知れた仲間とののんびり、ゆったりとした静かな山行、段々こういうのが性に合ってきたような気がする。

 

<コースタイム> 
3日=10:30地蔵峠10:50 ~(リフト)~ 10:55リフト終点11:25
   ~ 13:05湯ノ丸山頂上13:15 ~ 14:55地蔵峠15:10 ~ 
   15:15新鹿沢温泉
4日=鹿沢国民休暇村9:15 ~ 13:00下山

 



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