日程: 2014年6月16日(月)~17日(火)
メンバー: 赤澤(L),塚本、大塚、西田、萩原、名倉、斎藤光、斎藤幸
報告: 赤澤

 

 
<コウシンソウ> タヌキモ科食虫植物のムシトリスミレ属に分類される多年生植物。世界的珍種であり、国の植物レッドデータブックで絶滅危惧Ⅱ種に指定され、庚申山の自生地は国の特別天然記念物である。明治23年理学博士・三好学氏によって庚申山で発見された事からコウシンソウと名付けられた。
6月のある短い時期しか見る事の出来ないコウシンソウ。いつか見たいものと思いながら、行きそびれていたのだが、思い切って仲間を募ったところ、上記7名の同好の士を得て、遂に宿願を果たす事が出来た。ハシゴや鎖場の連続する庚申山<お山巡りのみち>を行くと、「アラ!これじゃないかしら?」という誰かの声に駆け寄ってみれば、それはぼんやりしていたら見逃してしまう程あまりに小さく、拍子抜けしてしまったものだ。「アリャ、リャ、これかよ!こんな小さくては写真うまく撮れないよ」思わずぼやいたものだが、垂直に切り立った岩壁に咲く薄桃色の花は可憐で、苛酷な環境で懸命に生き抜くそのけなげな姿に、思わず「頑張れよ」とエールを送ったのであった。近くにはピンクのユキワリソウも咲いていて、新緑の中、途中で見かけたクリンソウやクワガタソウ等花を見るには丁度良い時期、最後はしっかり降られてしまったが、まずまず楽しめたいい山行であったかと思う(自画自賛)。
尚、1日目は足慣らしに備前楯山{1273m}に登り、時間があったので、足尾学習センターを訪ね、銅山の歴史と田中正造翁の公害問題について学んできた。丁度1ヶ月前には天皇・皇后両陛下も田中正造翁の足跡を辿ってこの地を視察されたとの事である。昭和48年に閉山した足尾銅山の坑道は、すべてこの日登った備前楯山の山腹を貫いて作られており、鉱山を開発した備前出身の鉱夫にちなんで、この山を備前楯山と呼ぶようになったという。「花の百名山」の著者田中澄江さんは、この鉱夫達は西から流れてきたキリシタンではなかったかと推測しているが、あり得ない話しではないと思う(花と歴史の50山・東京新聞出版局)。

 

<コースタイム> 
16日:舟石峠12:50~13:50備前楯山頂上14:00~14:40舟石峠
   銀山平「かじか莊」宿泊
17日:銀山平7:40~9:05一の鳥居~9:50百丁目~11:05猿田彦神社跡~
   (お山巡りのみち)~13:15庚申山分岐~13:50庚申山荘~
   15:10庚申七滝~16:25銀山平

*田中正造参考文献: 城山三郎「辛酸」   立松和平「毒―風聞・田中正造」

 



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