奥只見の秘峰 荒沢岳(1969m)

宮崎 陽正

(参加者:(L)藤野孝人、大塚忠彦、斎藤光子(ゲスト)、宮崎陽正)

梅雨ただなかの週末6/24〜25奥只見の荒沢岳に行って来ました。ペーパードライバーの私には電車、バス、タクシーの乗継ではどうしても手の届かない山域でこの指止まれで“荒沢岳”を見て照会し、藤野さんに快諾を頂いた時は、この会に入会して本当に良かったと思いました。残雪や悪天に備えハーネス等のギア一式を持参しての山行でしたが何とか天気にも恵まれ一路登山口の銀山平を目指しました。途中スーパーでこんなにいっぱい誰が飲むのだろうかという位ビールと焼酎を買い込み、無事奥只見湖船着場付近にテントを設営し、宴会となりました。今年は残雪が多くテントのすぐ隣の雪塊を冷蔵庫代わりにして刺身盛り合わせやイカソーメンといった高級食材に舌鼓を打ちながら明日の山行に話がはずみました。時折夕日に照らし出され姿を現す荒沢岳の山頂部を眺めるとさすがに違うなあと登高意欲をかきたてられました。

荒沢岳は2.5万分の一の地図上では登山口から真南に一直線、〜前山〜核心部鎖場の前ー(まえぐら)〜頂上と、いたって単純なヤセ尾根歩きの分かりやすいルートですが、前日の地元の関係者の情報が錯綜して前ーの鎖は全部取り外されていて今年はまだ付いていないとのこと。男性的なこの山の難易度が更に上昇してバリエーションルートになってしまったのかと危惧しました。早朝さっそく登山開始となりました。大塚さんが突然の体調不良を訴え戦線離脱され無線機を持って下山されました。(昨夜の暴飲と因果関係があるようにも思われましたが・・・)。その後周りを軽装で過ぎていく単独行の人たちがいるので聞いてみると鎖はちゃんとついているとのこと、胸をなでおろしてギアを半分デポして鋸歯状の大岩壁を前にしたときはなるほど越後の穂高と呼ばれるのに相応しいと納得しました。ここを越えれば後はまだ春山といっていいほどの白銀色のどっしりとした越後駒ケ岳や真後ろの未丈ヶ岳など越後の山々の贅沢な景色を楽しみながら頂上までの一息です。山頂はそんなに広いほどでもありませんが一服するには十分で、遠景までも欲しいままにしているとしばし疲れも忘れました。

2000mにも満たない山とは思われない豪壮な山容と充実したルートで“一度は登りたい”と思っていたとおりの山でした。下山後、“本日開山祭”のお守りを4つ手にした大塚さんと再会、温泉で汗を流して帰途につきました。

 


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