◆二子山 集中登山 (2006.11.25〜26)   藤野 孝人

 

シリウスはメンバーが多い。好みも尾根歩き・縦走、岩、沢など、さまざまであろう。そんなことから、多くのメンバーが参加できるようにと、「二子山」を企画した。その結果、「一般登山コース」に5名、「西岳・中央稜のクライミングコース」に5名、計10名の参加を得た。岩と紅葉のコントラストがよく、無風で絶好の登山日和に恵まれ、西山さんを筆頭に皆さんのご協力とご尽力により、快適な一日となった。
 前夜、八王子集合組と新宿集合組が、合流場所の「道の駅・芦ヶ久保」に、予定時間の19時前に到着。早速、屋根の下にテント3張りを設営 する。直ちに女性軍が用意のキムチ鍋、おでん、等をコンロに。そして「乾杯!!」。ベンチにテーブルまであってまことに都合がよい。ビール、日本酒、焼酎をワイワイと飲む。山行は、なんたってこれがよい。延々と話題はつきないが、適当なところでお開きとする。
  ぐっすり眠った翌朝、暗いうちに起床。手際よく朝食。さっさと片付けて、まずは時間のかかるクライミング組が出発。ついで最後の片付けをしてから、一般登山組が出発。


〔一般登山コース報告〕 (L=藤野、堀内、萩原、名倉、斎藤(ゲスト)

 二子山は「股峠」を境に東岳と西岳に別れる。股峠より、まずは東岳に向う。途中一箇所鎖場があるが、問題なく通過した。展望のよいテラスにて一本。振り返った西岳は大きくそびえている。いつ見てもどこにルートがあるのだろうと思えるほどだ。これより空身にて岩尾根を行くと、間もなく東岳に到着した。記念写真を撮って戻る。途中の鎖場も皆さんクリアーし、急坂を下って股峠に到着。ここで皆さんに「ハーネス」を付けていただく。西岳へは、「一般道」と「上級者道」がある。上級者道は事故が多いことから、数年前に鎖が付けられたが、念のためである。これで安心して上級者道を登れる。上級者道の取り付きで、まずは靴の裏の泥を取る。9mmのロープで結んで先行する。適当なところでビレイを取り、確保し、登ってもらう。皆さん楽しそうに登ってくる。3ピッチほどで、無事、岩場を通過した。樹林の中を登っていくと、西山さんの声が聞こえ、前方にその姿が見えた。中央稜の登攀終了点の上である。順次、後続が到着するとのこと、西岳山頂寄りの方が、登攀している姿が見えるので、山頂方面に向う。見晴らしの良い岩場から、次々と登攀しているメンバーが見えた。やがて西岳山頂に予定通り全員が集合。ワイワイと昼食。記念写真を撮り、下山とする。登攀組は「懸垂下降で降りる」とのことなので、我々は股峠への最短ルートの一般道を下った。
<コースとタイム>
股峠(7:55)―テラス(8:25-30)―東岳(8:40-50)―股峠(9:25-55)―上級者道―西岳(11:15-12:10)―一般道を下る―股峠(12:45 )(以上、藤野孝人記)

★「若返った二子山」

 一般コースの岩場の登山は久しぶり、楽しみに参加致しました。思った通り楽しく、しかも上級コースでウフフ・・・・。股峠より藤野リーダーに導かれ、東岳〜西岳ドキドキ、ワクワクしながら楽しませていただきました。西岳頂上ではクライミングコースの方々と昼食を楽しみ、休憩後それぞれ下りました。下りではゆっくり味わいながら歩き、又このような山行に参加したいなあ―と考えながら歩きました。
 前夜は、芦ヶ久保道の駅での鍋を囲んでワイワイ言いながら夕食、大声で歌を歌ったのが本当に楽しく、何歳も若返ったようでした!!
リーダーの藤野さんありがとうございました!!  (萩原眞理生 記)

★「大きな重いザックの中は?」

 藤野さんの大きな重いザックの中には何が入っているのでしょう。車から降り登山準備。いよいよ登山開始。重いザックを軽々と背負い足取り軽く歩いている。いったいあの中には何が入れてあるのだろうと不思議に思いながら後ろに続く。東岳を無事登り終わって峠に戻り、岩登りをしている仲間の居る西岳へ。峠で西岳への準備。ザックの重い訳けがわかりました。ロープ・カラビナ・ハーネスなどいくつも出てきます。私たちのために持参していたのでした。
 ハーネスを着け西岳の上級コースへ。靴底の土をきれいに落とし、最近まで鎖がつけられていなかったそうで真新しいくさりが岩に光っていますがくさりを使わずに藤野さんの張ってくださるロープをたよりに、その場で器具の使い方、身体の動き、声の掛け合いなど沢山のことを教えていただき、気持ち良い暖かな秋の日をいっぱいに浴び西岳頂上に。岩登りの仲間も全員西岳頂上に。記念写真。下山は落ち葉の上を落ち葉の匂いと、沢山の落ち葉独特の靴底感触を味わい、藤野さんの重いザックのおかげで楽しい山歩きができました。有り難うございました。
                                                  (堀内晃代 記)

〔西岳・中央稜クライミングコース報告〕(L=西山、福寿、別所。柴村、井上(東京山楽会))

 二子山は秩父地方に多い石灰岩の山だ。近くにある武甲山などはセメントの材料採取のため崩されつつあるが、ここはスリリングな岩場歩きとロッククライミングが人気の山として、地元の要望も強く切り崩しを免れている。東、西の2峰があり、西岳の南面には古くから岩登りのルートが開かれていた。
  集中登山の岩登りチーム5人は「道の駅・芦ケ久保」をひと足先に出発して、裏登山口から股峠を跨いで、西岳中央稜の取り付き地点へ2時間ほどで着いた。時間が早いので、辺りにクライマーの姿はない。今日は中央稜のハイライトであるクラシック・ルートを攀(よ)じるのだ。早速ギア類を身に付け、NがリードしてI、S、B、Hの順に、7ピッチのロングルートを、いわゆる“イモ蔓式”に登って行く。5人が4本のザイルで繋がっているため、各人が確保技術や登攀力など程度の差こそあれ、一定の能力を身に付けていることが求められる。
  ルートは南に開けていて明るく、登るにしたがって奥秩父の素晴らしい佇まいが広がっている。のだが、実際は岩に向かって格闘しているので「恐らくそうだろう」という想像を背中に感じているに過ぎない。白っぽい岩は乾いていて、傾斜もまずまず。自然そのままの岩壁にしてはそれほど激しい凹凸もない。途中、張り出した小さな岩に足を掛け、体を空中に投げ出すようにしてエイヤッと越える部分があってヒヤリとさせられたり、背負ったザックが岩角に引っ掛かるなどしたが、高度差約210m、7ピッチを3時間半で終了、西岳頂上で待っていた登山組と合流した。
  帰路は登山組と別れて、中央稜脇のルートを懸垂下降して股峠に戻った。その途中にある「祠エリア」と呼ばれる岩場では、大勢の若者たちがザイルを張っていた。最近のフリークライミングの広がりと、石灰岩登りの流行によるものと思われる。   (別所宗郎 記)

 


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