◆春の西穂高岳(独標) 紀行 猪瀬精孝

期日:2007年4月26〜28日   メンバー:藤野(CL)、赤沢(SL)、斎藤、猪瀬

 
西穂・独標より望むピラミッドピークと西穂高岳              独標にて

 
ピラミッドピーク〜独標間の小ピークの雪庇をトラバースする      独標から懸垂で下る。後方は笠ケ岳      

 天候に恵まれず延び延びになっていた西穂高山行が、4月26日やっと実施されることになった。西八王子駅前に4名集合、例によって藤野車で一路新穂高温泉へ向った。ベテラン藤野・赤沢両リーダーが一緒で心強い。駐車場に車を置き、明日に備え今日中に小屋に入るべく勇んでロープウェイ駅に突入。ところが何んと強風のため運休、回復の見込み無しとのことでロビーで昼食を取った後、やむなく今日は下に陣取ることとなった。栃尾集落まで引き返し民宿旅館の世話になる。全員協議の上、行程を一日延期することになり、中日の明日が本番となるので、酒屋も近く便利な宿ではあったが、夜の会合も程々にして切り上げ眠りに付いた。

 一夜明けると翌朝は無風快晴、稀に見る晴天で昨日の前線通過が齎してくれた賜物だろう。朝食を済ませ一路ロープウェイへ、8時半の始発に乗って西穂高口に出た。展望台に寄ったが、そこから見た景色はとても言葉では表せない息を呑む様な光景であった。今年は真冬に雪が少なく、逆に3月4月に多く降った。異常気象が齎した結果だが厳冬期並みの味が出て寧ろラッキーだ。これから先、期待が膨らむと同時にフンドシも締め直す。積雪量十分の中1時間20分登って西穂山荘着。ここで身支度を整え「行けるところまで」と言うことで11時15分小屋を出発した。

 前日入山出来なかったのは残念だったが、めったにない好天だ、所々クラストしているが雪が締ってアイゼン・ピッケル共良く利き気持がいい。12時35分独標着、記念写真を撮ったり眺望を楽しんだ後、先へ進むことになった。これからが本番、西穂稜線特有の急なアップダウン・トラバースなどが連続し、過保護と思えるくらいロープを多用して頂き前進したが、それだけに時間も掛かった。懸垂下降の場面も何回かあったがエイト環の便利さには再認識させられた。ピラミッド手前のピークで15時、時間切れで引き返すことになり18時ジャスト西穂山荘に帰還した。夜は4名1室の個室だったので部屋にて和やかな反省会を行い、21時まで歓談が続いた。

 翌28日はまたまた悪天候、強風とホワイトアウトの状態でロープウェイが心配されたが、瞬間風も弱まり運行されたのを確認して早々と下山した。新穂高温泉で入浴、この地区はどこを掘っても100℃近い湯が出るそうで兎に角熱い。道中そば屋で昼食を取りながら帰途についたが、下界に下りても再び雷鳴と共に霙や雹が降る大荒れの天気に逆戻り、今頃まで上に居たら大変だったと思った。今年は天候の安定する日が少なく悩まされることが多かった。しかし例年だとこの時期には稜線上の登山道は雪が解けて殆んど無いはずだが、今年は山肌が真っ白で充分な雪の中を歩けたのは幸せであった。お陰でアイゼンは一度も脱着しないで済んだ。西穂の山頂こそ踏めませんでしたが、本当に中身の濃い充実した山行だったと思います。機会があれば来年は早朝早立ちで再チャレンジしたい。そして願わくは今年と同じくらいの雪が残っていてくれたらいいなと思う。八王子駅前まで送って頂き夕刻解散となった。色々教えて頂きお世話になりました皆さん有難うございました。

 


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