【雄阿寒岳登山】 笹崎勝利、西田智代

                 

 平成9年9月15日に百名山のひとつとして雌阿寒岳に登った。雌とは思えない荒々しい頂上の爆裂火口から阿寒湖の右に
対峙する対象的な雄阿寒岳が望まれた。いつかあの山にも登って見たいと約束してから10年も経った。今年の初めにその機会
が巡ってきた。西田の友達から、観光の折に見たきれいな姿の雄阿寒岳に登りたいので案内してほしいとの依頼があった。
いつか登りたい山だったので二つ返事で引き受けることにした。出発直前に友人から体調が悪くて行かれないとの連絡を受けたが、
飛行機が早割りキップのためキャンセルできないので、西田と2人で出かけることにした。台風5号が日本海を迂回して北海道に
再上陸の恐れがあり危ぶまれたが、スピードを上げ早く通過したため予定どおり出発できた。8月5日(日曜日)羽田7時55分発
9時半に釧路空港に着いてレンタカーを借りた。国道240号線を1時間半ほど走り阿寒湖手前の登山口に立ち寄った。日曜日の
ためか上下2ケ所の駐車場には15台ほどの車が駐車していた。中には遠く宮崎や秋田ナンバーの車も見られた。
  6日月曜日、霧の掛かったどんよりとした天候で、7時に登山口の滝口に到着した。既に京都ナンバーの車で親子三人が準備
していた。阿寒湖沿いに進んで太郎湖・次郎湖を経てから緩やかな登りとなったが、しばらくは針葉樹林の道で高度を稼いで行った。
四合目から五合目の間は急登であえぎながら登った。常識なら五合目は中間点だがこの山では、コースタイムから見ると八合目に
相当していた。それだけに登りがきつかった。ここでは視界が良ければ阿寒湖を眼下にして、雌阿寒岳等の景色が望める好ポイント
だが、相変わらずのガスで何も見えなかった。間もなく右にオシュレベコースの廃道を示すロープを見ながら登り続けた。ミヤマハン
ノキの林を抜けると七合目の台地で、ここは阿寒の展望台だがまだガスが切れず展望は全く無かった。八合目の台地には気象観
測所の跡のコンクリートの基礎が残り可憐な岩キキョウが群生していた。九合目の台地から左にひと登りして1371mの雄阿寒岳の
頂上に立った。頂上には平日のためか少なく6名の先客が休憩していた。ここでも相変わらずのガスで全く展望が効かなかった。
ますます霧が濃くなり一休みしてから下山を始めた。下りも傾斜がきつく途中で雨にも当たりコースタイムより30分遅れで登山口に
到着した。
  雄阿寒岳は雌阿寒岳より128mも低いのにコースタイムは1時間も多く、さすが雄だけあって登り下り共きつい山だった。
釧路空港で車を返してバスで釧路の街まで行き、釧路川河畔の炉辺焼き(金券を買い五店ほどの店から好きな食材を買い求めて
自分で焼く)を楽しんだ。千切りのキャベツの上にウニとカニみそを乗せたホイル焼きや生イカにウニが旨かった。20時50分発の
最終便で帰った。

 


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