◆鳥海山山行 −避難小屋の2人旅−  小室 豊

◎期 日;2007年8月31日〜9月2日        
◎メンバー;小室  豊、後上 善一

 JR東日本の《大人の休日》を利用した「この指とまれ」山行で、新幹線を利用し、羽越線の遊佐駅で下車、タクシー
で一ノ滝登山口へ向かう。今晩万助避難小屋に一緒に泊まるという横浜の単独行氏もタクシーに同乗させ、タクシー
代を安くする。
 遊佐駅では曇っていたが、歩き始めてから雨がちらつき始める。万助小屋に14時過ぎに到着したが、途中土砂
降りになり、雨具を着けていたとはいえ衣類はかなり濡れてしまった。幸い小屋は設備が完備しており、濡れた衣類
を乾かすことができた。この避難小屋は酒田市営で、地元の高校山岳部に管理を委託しているとのことで、4星の避
難小屋と随想舎発行の本《東北の避難小屋144》で紹介されている。この晩は食事を作り、かなり遅くまで2人で杯を
傾けた。後上さんは持参したジョニ黒を空けてしまい上機嫌であった。

 翌日、小屋を出発する頃は雲が低く、雨が降るかと思われたが、幸いに宿泊地に着くまでは雨に見舞われなかった。
今回の山行は鉾立〜御浜神社〜鳥海山往復の一般ルートではなく、万助避難小屋〜御浜神社〜文殊岳〜七高山〜
大清水小屋宿泊。翌日は大清水小屋から七高山へ登り返し、鳥海山山頂へ立ち寄り、七つ釜避難小屋経由祓川キャ
ンプ場へ抜けるルートとし、避難小屋宿泊でのんびり歩こうという山行であった。2日目は朝7時20分に小屋を出発し、
仙人平、鳥ノ海を通り御浜小屋へ10時40分に着いた。雨は降らなかったが、御浜小屋のある尾根筋では風がかなり
強く吹いており、頂上へ向かうのを断念する登山者もいた。万助小屋から仙人平までは誰にも会わず、ゆっくりした歩
行となった。仙人平まで来るといくらか明るくなり、遠望は利かないが、近くの景色は眺めることができ、隣の千畳ケ原
の景色を楽しむことができた。

 御浜小屋では1時間強休み、後上さんの持参した抹茶をご相伴させてもらい体を十分休ませて貰った。ここで500ml
のミネラルウォーター1本500円という貴重な水を入手することになった。天候が余り芳しくないためか登山者の数も少
なく、御浜小屋から上ものんびりと歩くことができた。特に外輪ルートは千蛇谷ルートに比較して登山者の数はまばら
であった。正午頃までは頂上付近の天候は良かったようであるが、われわれが百宅口ルート下降分岐点に着いた14
時過ぎには雲が覆い被さり、唐獅子方面への下り道はペンキ印と赤布を頼らねばならない状態であった。当初は大
清水避難小屋まで下って泊まる予定であったが、翌日の天候のことを考慮して、尾根から1時間強下った唐獅子避難
小屋宿泊とした。この小屋も小綺麗で住み心地の良いところであるが、難を言えば水場の水があまり良くないことであ
る。しかし、われわれ2人だけの宿泊で気楽であった。

 翌3日目は快晴とはいえないが、日本海、月山、岩手山などが同定できる状態になっていた。登り返しに1時間30分
ほど費やして、昨日の分岐点に立って、振り返ってみると唐獅子避難小屋が眼下に見えるではないか。七高山への
鞍部に荷物をデポして岩だらけの鳥海山山頂である新山から周囲を展望し、七高山経由で祓川キャンプ場へと下った。
キャンプ場は七高山から見えるけれども、1,000m強を下るため結構時間を要した。七高山からの下りの最初の部分は
石畳の道が歩きやすいが、七ツ釜避難小屋までは結構歩きづらい。小屋から100m程下る賽の河原あたりになるとハ
イキングコースになっていた。祓川ヒュッテの駐車場に14時にタクシーが来るように予約しておいたので、車が来るま
で後上さん持参の焼肉で舌鼓を打ち、予定通り由利高原鉄道矢島駅発14時55分の列車に乗って帰路に着く。
  飲兵衛仲間2人の山行であった。

 


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