◆ 八海山から中岳へ  小室 豊


[日 程] 2007年11月4日〜6日        
[メンバー] 小室 豊(CL)、猪瀬精孝、河内達人


         (遥拝堂避難小屋 となりの神像前で)

 上記3名のメンバーで11月4日から3日間で越後三山を縦走しようと東京発7時8分の新幹線に乗り、在来線、バス
と乗り継ぎ、八海山ロープウエーで遥拝堂避難小屋まで乗物で行き、ここから八海山避難小屋まで歩いた。この避
難小屋の隣にある千本檜小屋は、この日に整理を終えて小屋を閉じて下山していった。避難小屋に13時過ぎに着
いたので、空身で八つ峰を越え、迂回道を戻ることにした。地蔵岳、不動岳へと足を進めたが、七曜岳の登りで、メ
ンバーに高所恐怖症が出てきたので急に中止することになった。
 このルートは鎖や梯子が完備しており、注意して歩けば何ということもないのだが、やはり疲れが多少出てきたた
めであろう。その代わり翌日の出発が早いため、ルートを確認しておこうと、迂回路を大日岳分岐まで往復した。結
果として翌朝の出立に役立つことになった。避難小屋ではわれわれ3人の貸切りで、手料理を作り、一杯を傾けた。
屋外へ出ると身震いするほど冷え込んでいたが、星空で、遠く六日町の家々の灯を望むことができ、携帯電話もよく
通じた。

 翌日は5時出発と計画していたが、20分ほど遅れての出発になった。やはり暗い巻き道を懐電で歩くのは大変で
あったが、30分ほど歩くと明るくなってきた。6時30分に昨日来た大日岳分岐の尾根に着く。天候は絶好の秋晴れ
で周囲の山々を展望しながら、入道岳、五竜岳と尾根道をのんびりと歩く。五竜岳からは両側は切れ込み、急峻な
道になる。最低鞍部のオカメノゾキまでは約400m下るが、慎重に足を進める。バリエーションルートで、危険な場所
は鎖やザイルが張られ、個人でザイルを張る必要がないと言われているが、荷物が重いため、急峻な下りだけは4
回ほどザイルを使う。

 オカメノゾキには12時前に着いたので、中ノ岳の登りが900mほどであるが、明るいうちに着けるものと思った。
しかし、オカメノゾキからも切り立った尾根の上り下りが続き、結構時間を要した。出雲先を通り1,821mの御月山手前
にはかなり長い鎖場がある。かなり疲労していたためこの鎖場を一気に上ることができず、途中数回呼吸を整えなけ
ればならなかった。この頂から約150m下に祓川という水場がある。この水場で1人4リットルの水を補給した。水で重
くなった荷物を背負い、暗くなった道を中ノ岳避難小屋へと向かった。休み休みの歩きであったため、小屋に着いた時
は19時を回っていた。

 小屋は冬支度がなされており、梯子を使って2階の窓から入った。小屋の中は綺麗に清掃されており、快適であった、
ガイドブックでは水は雨水が貯められているとなっていたが、タンクの中は空で、各人が4リットルの水を汲んできたので、
今宵も快適な酒盛りをすることができた。到着が遅れ、疲れきっていたとはいえ、杯を傾けるとなると夕食の準備もそこそ
こに今日一日のアルバイトの疲れを酒の肴にしてくつろいだ。

 最後の日は越後駒ケ岳への縦走を予定していたが、天候が芳しくないことと昨日の疲れが残っていたため、十字峡に
直接下ることにした。この下りは昨夜の雨(当日も時々ひやひやと小雨)で落ち葉が濡れており、結構大変であった。
日向山あたりからは十字峡が見えるのだか、1,100mの下りで車道までは3時間強を要した。さらに十字峡からは三国川
ダムまで1時間30分ほど歩き、タクシーを呼んで、六日町まで戻った。
 越後駒ケ岳まで歩けなかったが、八海山から中ノ岳までのバリエーションルートを歩けたことに満足した山行であった。
サブザックだけの荷物ならば、このルートは8時間は掛からないと思われるが、駒ケ岳、中ノ岳の小屋は避難小屋である
ことを考えると、食料や寝具の持参が必要なため、一工夫を要するルートである。

 


個人山行報告目次へ     HOMEへ