◆ 「晩秋の幕山ハイク&岩トレ」 報告  西田智代、迫畑勝三

【日 程】 2007年11月30日〜12月1日
【場 所】 神奈川県・湯河原町 幕山&幕岩
【メンバー】猪瀬精孝、大塚忠彦(L)、迫畑勝三、笹崎勝利、西田智代、藤野孝人、別所宗郎、堀内晃代

■幕山ハイキング (西田智代)

 心配していた天候も前日の大塚さんのメールでゴーサインが出た。当日は湯河原の駅前に全員が集合。
バスに乗り幕山公園で下車して、今夜の宿「しとど庵」に立ち寄ってから登山口へ向かった。岩組は猪瀬、
大塚、迫畑、別所さんの4名、ハイキング組は笹崎、藤野、堀内さんと西田の4名、に別れて行動開始。
たぶん藤野さんは、翌日の岩の前の足慣らしで、私達にお付き合いをしてくれたのだろうと申し訳なく思い
ながら登り始めた。
 今年は紅葉も遅く、湯河原では今が盛りのようであった。登山道は私の苦手の木の階段がズーッと続い
ていた。木々の間から真鶴半島が良く見えたが伊豆半島は霞んでいた。途中の立派な休憩所で一息入れ
て頂上へ向かった。途中で、複数の男性パーティー2組とすれ違っただけの静かな登りだった。1時間半程
で頂上に着いたが、既に10名前後の中高年のグループが寒そうに昼食をとっていた。
 曇りで展望は全く無く、それに北東の風が吹いていて思ったよりは寒く、4人で藤野さん持参のうどんを
お汁代わりに頂き暖を取る。ポツポツと雨が当りはじめてきたので早々に同じ道を下山。暫く歩いていない
私にとって、低山とは言え登りもきつかったが下りは更に大変で、登りの感じより結構な斜度があり改めて
ビックリした。

  途中の岩場で岩組の皆さんが遅い昼食を取っていてとても楽しそうにワイワイと・・・いいな〜羨ましい!
私は縦走の山行だけでしたが、体重が落ちたら何時かキット挑戦してみよう思っているが、その時にはマン
ツーマンで教えて下さいね!(ちょっとズーズーしいかな?)藤野さんはハイキングでは満足出来なかったの
かハーネスを取りに急いで宿へ行ってしまった。我々3名は皆さんと少し話をして、気をつけて頑張って下さ
いと先に宿へ帰る。

 今日の宿泊は私達のグループだけで、コティージ風の建物2箇所に分かれて宿泊、5〜6名も入れる岩風
呂にユックリと浸かって疲れを取る。6時頃からの夕食で、男性軍は既に焼酎のボトルを空けていたが、美味
しいソバやご馳走に舌づつみを打ちながら、持参の雪中梅を飲み、懐かしい昔話に花が咲く。二次会は男性
軍の部屋で遅くまで酒を酌み交わし交流を重ねた。楽しいな〜、何時までこんな楽しみを続けられるのかなと
思いながらウトウト!いつの間にか眠ってしまった。

 翌日は8時に朝食。猪瀬・迫畑・藤野・別所さんたち4名の岩組を残して、私と大塚・笹崎・堀内さんの4名は
それぞれ用もあり9時18分のバスで帰途に着く。皆さん大変お世話になりました、楽しいひと時を有難うござ
いました。又よろしくお願いします。


■幕岩クライミング−初心者奮戦記 (迫畑 勝三)


 梅の花と紅葉が美しい幕山に一度は行ってみたいと思っていたところ(この指止まれ)でお誘いがあり、早速
申し込みしました。今回は、ハイキング班と岩クライミング班に分かれての計画でありました。クライミングは、
初めての人もどうぞ、ということでありましたので、こちらに申し込んだのがとんでもない結果になってしまった。
その顛末記であります。
 11月30日(金) 9時50分、JR湯河原駅の改札前に集合。全員8名 天気は曇りであったが、回復に向かっ
ているとのことであったので、期待を膨らませて出発。幕山公園で下車。予約の民宿「しとど庵」に荷物を預かっ
ていただき早速、準備して2班にわかれて行動開始。クライミング班4名(内インストラクター 大塚忠彦氏)の顔
ぶれは錚々たるメンバーで、初心者は小生だけではないか。しまった!ハイキング班に入れば良かったと気が
ついた時は、後の祭り。

 幕山登山口からすぐ近くの「テントウムシロック」の下に着く。シートを敷き、ザイル等を置き、みんな黙々と準備
にとりかかる。ハーネス、カラビナの装着が分からず、インストラクターに手伝ってもらう。また使い方も教わる。
 「テントウムシロック」を見上げると、一枚岩で30m位の高さ。傾斜も相当なもの。インストラクターがコース作り
のため登攀開始。ビレイヤーと呼吸を合わせて、ヌンチャクを次から次と岩壁にセットし、ザイルを通してゆく見事
さに驚く。ルートが出来上がり、今度は一人ひとり交替でトライ。先輩達の見事なクライミングはさすがである。
ビレイヤーと「テンション」とかをはっきり意志確認しながら少しずつ攀じ登って行く。張りつめた緊張で手汗を掻い
てしまう。経験があるとはいえ、ひと岩ひと岩の違いに合わせてトライする謙虚さを学ぶ。
 とうとう番がまわってきた。体がハーネスとザイルで確保されているから安心、と言われてもなかなか信じられ
ない。下を見ないで途中まで攀じ登る。岩棚があり一呼吸いれて下を見れば絶壁。それからは恐怖と臆病風に
吹かれて、膝がガクガク震え、手先が硬直して痙攣してきた。下から少し休むようにと指示があり、血液の回復
を待って再度トライする。頂上近くにオーバーハングのところまで登ることが出来た。これからが大変、2度3度試
みるがどうしても越えない。しまいにはインストラクターが現場まで来て、足と手の置き場所を教えもらったが、
そのころになると手にも指にも力が入らなくなってしまった。まことに敗残兵の気持ちで降りる。下降の際、岩面
に垂直になるように身体を立てることがコツと教わるが、滑落の態で降りる。

 その頃、雨がぱらつき始めたので今日の岩トレは終了。民宿の湯に入り食事のときのビールのうまいこと。夜遅
くまで談笑し杯を重ねることの楽しさ、シリウス会員の有難さを感じる。
 翌12月1日(土) 朝から晴天。幕山の紅葉が陽の光で照り輝いている。朝食を終え、クライミング班は午前中
トレーニング。前日のインストラクターが腰を捻ったため藤野孝人氏と交替。
 今日の場所は、昨日の上部にある「シンデレラ・フェイス」。岩肌を鉋で粗削りしたような絶壁。下から僅かにエッジ
らしきものが見える。昨日よりは難しい。先輩達はどのように登るか足、手、コース、ホールド、体重の移動をしっかり
と見る。2回トライしたがやはり途中で終わる。隣のコースでは、子供達が嬉々としてクライミングに取り組んでいる
様子を見ると、実に羨ましい。2日間のクライミングの体験は充実していた。帰路、相模湾の青い海を見下ろしながら
再度トライするかどうかは、もう少し時が必要かなと思う。今回、参加するに前に、テキストを送っていただいたり、
装備の相談に応じてもらったりした諸兄に感謝します。

 


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