◆編笠山登山報告(2008.2.2) 浜口武夫

【メンバー】(敬称略):藤野(L)、猪瀬、岡田、斎藤(光)、萩原、浜口

 

 週末の天気は下り坂で、2月3日は東京でも大雪の予報が出ていたことから、藤野リーダーの判断で計画
は1日前倒しとなり、2月1日(金)の18時に西八王子駅前を出発して八ヶ岳山麓にて幕営、2月2日(土)に
編笠山アタックとなりました。テント場ではオヤジ全員が焼酎持参で、藤野家のマグロ角煮、萩原さんが軒先
で干された沢庵、斎藤さんのナスと菊の漬物、等々酒もツマミもたっぷり。最近寝不足気味だったこともあり、
深酒すると明日はやばいかなぁと思ってましたが、リーダーの指示で節度よく切り上げ早めに就寝し明日に
備えました。

 翌朝は、斎藤さんたちが前夜の宴会中に下準備してくださってたモチと具たっぷりの雑煮でしっかり腹ごし
らえ。偉そうに「これでもうシャリバテなんて言う人はいないですよねぇ」と言ってた私でしたが・・・・。テント場
からは車で八ヶ岳公園道路に移動し、観音平口のゲート前(ゲートは閉鎖中)から登山開始。アスファルト道
から離れ、編笠山に向かう直線の登山道へと曲がったところで先頭の藤野さんから前方を見よとの合図。
500mくらい前方に30から40頭ほどの鹿の群れが。奈良公園以外でこんなに大きな鹿の群れを見たことは
無いのでビックリです。見物している我々に気付いた鹿の群れは林の中に移動しましたが、我々を観察してる
見張りがいるらしく、時折林の奥で仲間に警戒を知らせる鳴き声を発していました。

 鹿の群れがいたあたりから樹林帯に入り、暗くなってからの下山に備えリーダーの指示通り赤布を枝に付け
ながら観音平へ。観音平からは高度があがるに従って徐々に雪も深くなってきます。さらに登って雲海展望台
に到着したところでリーダーからアイゼン装着の指示。このあたりから後ろを振り返ると南アルプス連峰や富士
山の雄姿が楽しめるようになってきました。ここで小生に本日最初のトラブル。アイゼンのサイズが大きくて靴
に合ってなかったのです。一番短くすると辛うじて外れないという状態だったのでなんとか使えたのですが、ヘ
ビーなルートなら非常に危険。今回の靴とプラ靴用に買ったアイゼンは一度も組み合わせて使ったことがなか
ったのでした。リスクの高いミスです。

 さて、心配だった天気は上空に薄雲がかかっている程度で、やわらかい陽射しもあり、ほとんど風も無く絶好
の登山日和。青年小屋への分岐となっている押手川からは傾斜もきつくなり、サラサラの雪も深く、前の週に
藤野さんがつけて下さってたトレースが無かったら、山頂アタックは体力的にも時間的にもかなり厳しいだろう
という感じになってきました。とくに樹林帯の終盤から頂上までの最後の急斜面は、ピッケルを深く差し込んで
体を引っ張り上げるという状況で、トレースが無かったらとても無理。前の週にトレースを準備してくださった藤
野さんに大感謝です。

 編笠山山頂では、富士山山頂に少し雲がかかっている他は抜群の眺望で、遠くの北アルプス連峰、そして
中央アルプス、南アルプスの山々、編笠山から連なる権現岳や赤岳といった八ヶ岳の山々を360度のパノラ
マで堪能できました。そして、登頂に7時間近くもかかり小生はかなりへばっていたのですが、萩原さんの「古
希を迎えてここに立てて幸せ」のお言葉に一同大感激。萩原さんと一人づつ握手で登頂のお祝いさせて頂き
ました。ほんとうに感動的なすばらしい山頂でのひとときでした。

 ところで、そんな萩原さんに比べ自分はと言うと、山頂直前で情けない2つ目のトラブルがあり(事故ではあ
りません。お腹の具合が。。。)、下山にあたっては、ストックが故障してて伸ばせないことが判明したり、ヘバ
って先輩方に追いつけなくなったり、と全く良いところなしで、最低なのは水切れ。テルモスのお湯500ccだけ
で十分と高をくくり荷物を軽くしたいばかりに水を持って行かないという愚行にはしり、降りの観音平では皆さ
んにお湯を分けていただくことになってしまいました。そしてトドメは観音平を出た直後の転倒。アイゼンを何か
に引っ掛けたようで、幸い怪我はしませんでしたが足はもうへろへろになってきました。そんな厄介なお荷物を
抱えながらも、観音平からの樹林帯はリーダーの先導により迷うことなく抜け出し、アイゼンも外して11時間に
も及ぶ山行も無事に終わるはず、だったのですが・・・。

 さいごの最後で斎藤さんが怪我をされてしまいました。アスファルト道に出て、轍のブラックアイスで萩原さん
も一度転倒されたので(幸いお怪我は無し)、皆さんも用心して歩いてはいたのですが、ほんとうにゲートまで
あと50mくらいというところでの事故でした。ということで色々ありましたが、久しく雪山から遠ざかっていた小
生にとっては、出発前の冬山装備の点検準備の重要性、持久力維持のためのトレーニングの必要性、最後ま
で気を緩めないことの大切さ、等々を改めて再認識する有意義なトレーニングになりました。また、今回一緒に
登っていただいた先輩方を見習って、10年後、さらに古希を迎えても雪山にチャレンジできるよう、もっともっと
頑張らなくてはと思いました。ただ、別格の猪瀬さんのようにはとてもとても・・・ですが。

【コースタイム】観音平口(7:10)〜観音平(8:50)〜雲海展望台(10:15)〜押手川(11:30)〜編笠山山頂(14:05/20)〜
          押手川〜雲海展望台(16:10)〜観音平(17:00)〜観音平口(18:30)


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