◆雪の金峰山(2008年) 秋田 勳男

<参加者> 藤野(L)・迫畑・浜口・秋田
<コースタイム>
  3月1日(土)金峰山荘前12:00〜砂防堤14:50〜金峰山小屋20:40
  3月2日(日)金峰山小屋8:00〜金峰山山頂8:50/9:15〜千代の吹上10:15〜大日岩11:30
          〜富士見平小屋13:10〜瑞牆山荘13:40

 
           暗闇のラッセル                             五丈岩

 信濃川上駅には予定通り11時16分に到着、此処からは予約してあったタクシーに乗り換え金峰山荘に向かう。
道路は圧雪・凍結道であったが、さすが四輪駆動車30分弱で山荘に到着する。身支度を済ませ12時頃山荘前の
駐車場を金峰山小屋に向け出発。天気は雪がチラチラ降ったり止んだりの状況だ。
 此の廻り目平からの入山者は我々のパーティのみのようだ。わずかに残るトレースを頼りに林道を歩き出すが、
サクサク、ズボ、ズボと膝まで潜ってしまい、30分も進まないうちに藤野リーダーがワカンを着装。何時しか雪も止
み青空となったが、雪の状態が悪く砂防堤には予定時間を大幅にオーバーした14時50分の到着となった。此処
からは本格的な登山道となるため、ストックに換えピッケルを使用するようにと、リーダーからの指示、「小屋到着
は遅くなるのでヘッデンが必要になるゾ」とリーダー、「日も大分延びたし大丈夫でしょう」と気楽な私(後で、さすが
リーダーと信頼と尊敬の念を再認識する)。

 急斜面の樹林帯をひたすら登っていくと樹間からは夕日に染まった瑞牆山が見られ、疲労した身体を癒してくれ
る。更に、鬱蒼としたシラビソとシャクナゲ林を登る、辺りも大分暗くなりヘッデンを点灯、比較的歩きやすい雪道が
続くが、突然今まで在った僅かなトレースが無くなる、同時に雪も深くなり歩きにくい、闇夜の中ヘッデンを頼りに
樹に結ばれたテープを探し探し進む、更に雪が深くなりテープも見当たらない。
  リーダーがザックを降ろしルートハンティング、暫くすると暗闇から、ガイドロープが見つかったとの声が。リーダー
に代わり、ロープを頼りに腰までの雪をラッセルしながら進む、斜面もきつくなり膝で踏み込み・踏み込みラッセル、
もうダメ!進めないと停滞していると、後から若手?の浜口さんが「交代しますと」神の声、秋田さんは殿をとリー
ダーの指示、暫くすると急登を脱け緩やかになりトレースが再び現れる。此で助かったとホットするが、既に19時を
回っており本来なら小屋に到着して一杯やっているはず、再びリーダーと浜口さんが先行、迫畑さんと2人で暗闇
の中ライトの明かりを頼りに一歩一歩登って行く。

 遥か遠くには下界の明かりが、上を見上げれば満点の星空、休み休み黙々と登る。闇夜からリーダーの声、何
と言っているか分からないが、迫畑さんに、先行組は小屋に着いたみたい、後、少しだ、頑張ろう、デモなかなか
到着しない。(後で聞いたら、確認の呼びかけでした)。目の前の小さな木に「金峰山小屋まで20m」の案内板を
発見、あと30歩で小屋に着くぞ、頑張れ! 最後の急斜面を登り、20時40分漸く小屋に到着。

 小屋には既に他のパーティの2人が就寝中、声をひそめなるべく静かに食事の支度、食担の浜口さんによる具
沢山のナベ料理、このなかに餅を入れる、腹が空き、待ちきれず硬めの餅を頬張る、幸せな一時だ、22時遅い眠
りにつく。
 翌朝は山では遅い6時の起床となった、早速、昨夜のナベの残りを使いオジヤを作る、身体が温まり、冷え切っ
た筋肉が解れる。雪化粧した浅間山を背に、瑞牆山を眺めながら8時に小屋を出発。気温は  −17度だが風が
無いせいかそれほど寒さを感じない。山頂へは小屋からいきなりの急登となるが、40分位で五丈岩の聳える広場
に到着、富士山がその雄壮を現わす、一人で暫し独占する、最高の気分だ!
 全員揃った後、2,599mの金峰山山頂に向かう、全員で記念写真を撮り、暫く素晴しいパノラマを楽しみ、五丈岩
を後にする。千代の吹き上げ、砂払いの頭と稜線伝いに富士山をはじめ八ヶ岳や南アルプスの眺望を楽しみながら
瑞牆山荘の在る登山口に向けて降る、今日は風もなく暖かい最高の雪山日和となった。

 今回、藤野さんが主催した初級冬山登山の雪の金峰山に参加させてもらいましたが、やはり、初級とはいえ冬山
では積雪量・雪質・降雪後の変化やその他の自然環境の変化等により登山を困難ならしめる事、また、危険性が
潜んでいる事を再認識した、金峰山山行となりました。
 冷静沈着な藤野リーダー、美味しいナベ料理を担当していただいた若手の 浜口さん(忙しい浜口さんに代わり材
料調達をしていただいた浜口夫人)、そして、最後まで一緒にガンバッタ迫畑さん、お世話になりました。
厳しかったが、楽しい・楽しい、雪の金峰山でした。

<山小屋情報>
 金峰山小屋の冬期小屋は、以前は本体の小屋が解放されていましたが、今は、
定員6名の「自炊小屋」の解放となっていました。毛布もあり綺麗な小屋でした。


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