◆丹沢・水無川本谷、沖ノ源次郎沢遡行記  西山常芳
   〜クサリ、迂回ルートを厳禁で〜 

〔日 程〕4月12日(土)
〔メンバー〕西山常芳(CL)、玄 陽成(東京山楽会)

 山登りの最大の楽しみは、尾根、沢から目的の山頂に達して、心行くまで展望をたのしむにある、と小暮理太郎
が言っている。また、田部重治も秩父、奥多摩、大菩薩の良さは森林と渓谷にあり、と言っている。彼らの言葉を
借りるまでもなく、私は渓谷が好きである。
 へつり、高巻き、徒渉、ザレ、ナメ、トロ、ゴルジュ、滝と目まぐるしく状況が変わる。一般登山道では、これほどの
変化もあり得ないし、その対応もまた、さまざまな判断と技術が必要である。そこに沢の魅力を感じるのである。
行くなら単独〜3人がグッドだろう。沢、森の深さ、美しさに浸れること請け合いである。
  今回は子供と同じ年代の若手との遡行となった。F1手前の堰堤の上にて身支度。早速、相棒がヒルに取りつか
れている。丹沢は今は特にヒルの繁殖地が広がっているようだ。2人なのでおもいおもいにルートを選ぶ。春とは言
え、濡れるとまだ寒い時期ではあるが、訓練も兼ねているので、クサリと迂回ルートは厳禁、よりハードにチャレンジ。
相棒にリードさせ、ロープワークを教える。
 F3は左にクサリがついている。滝口に降りる処がいやらしいので、団体さんが来ると渋滞してしまう。それを見た単
独者が、左岸にぶら下がっているシュリンゲを見て、簡単だろうと登り、途中からスリップ、釜の水面と同じぐらいにあ
る岩に頭を打ちつけお陀仏(数年前)。今回はその岩が5mぐらい下流に押し出されていて、これからはドボンで済ま
されるかもしれない(1m×1m×2mぐらいの岩)。
 F6はグレードが3級プラスだが、シュリンゲが網目のように設置され、昔の面影はない。過剰についているものは回
収しようかとも思ったほど。天気も思わしくないので、ここで遡行終了。下山ついでに沖ノ源次郎のF1、F2(20m)を登
攀、懸垂にて降り立ち、書策新道を戸沢まで下山、やはり若い相棒は強い、私も丹沢あたりの優しい沢が身に合った
歳になったかなーと思った次第である。


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