◆尾瀬の静かな山〜尾瀬沼から皿伏山、白尾山〜 塚本 稔

〔日 程〕 2008年5月23日〜24日
〔メンバー〕 弟と2人 

 


        白尾山から望む平ケ岳(奥)と景鶴山

◎23日 鳩待峠―山の鼻―尾瀬沼
   鳩待峠から山の鼻まで残雪は所々にしかありません(山小屋関係者が除雪)。
  山の鼻手前右の湿原に水芭蕉が満開に咲いていました。まだ周囲には多くの残雪が有り近くまで写真を
  撮りに行けましたが、残雪が少なくなりますと無理です。山の鼻から牛首までは所々に咲いていましたが、
  下ノ大堀はパンフレットに載っている写真と同じように見事に咲いていました。そこから見晴十字路までは
  長沢新道の流れ込みの遠い所が満開のようでしたが、他はこれからのようです。見晴十字路手前では
  ザゼンソウが少し咲いていましたが、急いで歩くと見過ごしてしまいます。他に咲いていた花はリュウキンカ、
  キクザキイチゲ、ショウジョウバカマぐらいでした。            
   尾瀬ヶ原の木道には残雪は有りません。見晴十字路から白砂乗越までは半分から先が雪道で、白砂
  田代、沼尻、尾瀬沼の周囲は雪道で、大江湿原からの流れ込みの木道は残雪が無く長蔵小屋、ビジター
  センター近くから残雪が多く有りました。23日は尾瀬沼ヒュッテに泊まりました。

◎24日 尾瀬沼―皿伏山―白尾山―富士見峠 
   天気が良いことがはっきりしたので、7時に小屋を出発して三平下から尾瀬沼湖岸を通り、大清水平方
  面分岐までは樹林帯の中ですが残雪が多くあります。尾瀬沼湖岸の分岐には標識の太い丸太が建ってい
  ますが、案内板が差込んでありませんので山側に直角に入りましたが、雪がまだ大量に残っているため腰
  まで雪の中に落ちた事もありました。登山道は全然わかりません。赤ペンキ又は赤リボンの目印を見つけ
  ながら、なんとか大清水平の湿原までは行きましたが、その先は目印も分からない所が多くトレールも無い
  ので、地図を見ながら高い所目指して登り、1時間弱で展望の無い皿伏山にたどり着きました。山頂には
  雪から頭を出した標識杭が有ります。小休止の後、白尾山を指す方に向かい山頂裏側の急斜面を降り始め
  ると、夏道が一部見える所が有りましたが直ぐ残雪で分からなくなります。急斜面を下りきると開けた所に
  出ます。そこには白樺の木にブリキの案内板が打ち付けて有りましたがはっきり分かりません。

   その先セン沢の田代手前で間違って左側のこぶに登り始めたのが分かり、右側に進路を変更して進み
  ますと目印がありホットしましたが、その先セン沢の田代からがまた分かりません。地図を見て地形を見た
  り確認しながら、白尾山目指して雪の急斜面を喘ぎながら登りますと、2時間弱でやっと針葉樹に囲まれた
  小広い白尾山山頂に着きました。

   頂上は360度の展望と案内書には有りましたが移動しないと無理です。移動しますと至仏山、燧ヶ岳、
  平ヶ岳等が見えます。記念写真を撮り小休止後、その先の電波塔に向かうには、頂上の裏側に丸太の
  白尾山標識が有り、富士見峠を指している方向に進みますが、先には何の目印も有りません稜線を辿りな
  がら暫く行きますと電波塔に着きます。ここは管理用道路が一部露出していますが、直ぐに残雪の下に消
  えてしまいます。前方にはこれから行く富士見小屋が見えて来ますが、消えた車道には目印が無く、少し
  進みますと富士見小屋も見えなくなります。道路らしき所を暫く進みますと前方に3人の男性が見えました
  のでホットしました。
   地元の方で、山菜採りの下見でしようか?ここまで上がって来たそうです。3人の内2人は間もなく帰る
  ために、道でもない山の中に消えて行きました。残った1人の方は、富士見小屋が開いているので寄って
  行くから、一緒に行こうと言うので同行し、5分位で小屋に12時20分着きました。ここで5時間以上の雪
  道とはお別れです。
   山小屋のご主人の話では、富士見から白尾山に登る人はいたが、尾瀬沼から登って来た人は今春初め
  て見たと言われましたが、確かにトレールも無く誰にも合いませんでした。今回の「皿伏山、白尾山」は、残
  雪期で目印が少なく、初めて登る山を無事に歩き通せたのは、2人であったこと、天気が良く目的の山も眺
  望出来たからだと思います。白尾山から見た平ケ岳(奥)と景鶴山富士見小屋で豚汁を注文し昼飯を食べ
  ていると、富士見下14時発のバスに間に合うと言うので、12時44分に小屋を出発し砂利道を早足で下り
  ましたが、距離が6.3kmも有るので中々着きません。
  13時55分になった時、下に小さな建物が2棟見えましたが砂利道はまだ先まで延びています。直ぐ下に
  は舗装道路が奥に延びて、ヘアピンカーブで砂利道に接続していますが、道なりに行きますとバス停から遠
  ざかりますので、ショートカットして下の舗装路に飛び降りバス停まで走り、14時ジャストに着きましたがバス
  の姿は有りませんでした。早く出てしまったのか、遅れているのか?不安になりましたが、1分もしない内に
  バスが上がって来ましたのでひと安心、バスに乗り座席に着くと疲れがどっと出ました。バスは戸倉の第一
  駐車場入り口で降り(390円)、駐車代(2000円)を払い、マイカーに乗り鎌田の寄居山温泉に浸かり(500円)、
  疲れた足を熱めの温泉でマッサージした効果が出て、スッキリした心身で無事家まで帰りました。この温泉は
  綺麗で空いています。
   苦しい山行でしたが、満ち足りた思い出に残る良い2日間でした。

 <タイムテーブル>
 23日 鳩待峠8:20〜山の鼻9:10〜下ノ大堀10:10〜見晴十字路11:15〜白砂田代12:50〜沼尻13:15〜
      尾瀬沼ヒュッテ14:20
 24日 尾瀬沼ヒュッテ7:00〜三平下7:25〜分岐7:50〜大清水平8:17〜皿伏山9:15〜セン沢田代10:00
      〜白尾山11:12〜富士見小屋  12:20〜富士見下14:00


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