◆妙高山・火打山・黒姫山・高妻山
      〜1週間の“気まま山行”〜 深澤 裕

        
                      火打山池糖のワタスゲ

〔日 程〕2008年8月4日(日)〜8月10日(日)
〔メンバー〕 単独  車で移動
〔行 程〕(4日)自宅〜燕温泉〜笹ヶ峰〜黒沢池ヒュッテ泊。(5日)妙高山〜火打山〜高谷池ヒュッテ〜
      笹ヶ峰 〜杉野沢「苗名の湯」民宿素泊。(6日)戸隠古池〜黒姫山〜むれ温泉「天狗の湯」
      〜戸隠オートキャンプ場泊。(7日)高妻山〜むれ温泉「天狗の湯」〜渋温泉泊 。
      (8日)本白根山〜「のよそ温泉」秋山郷 民宿素泊。(9日)苗場山〜「屋敷温泉」〜菅平ペンション泊 
      (10日)根子岳〜四阿山〜根子岳〜自宅

 8月4日  6時。西早稲田を出発。10時「燕温泉」着。思ったより早い到着です。ここはスキーの発祥の地と
言われていますが流石にリフトだらけです。激しい雨が降ってきたので「針村屋旅館」の風呂に入れてもらい
本日の山行を考えます。良い風呂です。露天風呂も気持ち良い。天気の回復を待ってコンビニで食糧を買い、
取り敢えず妙高山登山口の笹が峰に行きます。2時、登山口で登山者カードに記入します。この頃に雨が上
がり、ブナの森の木道を歩きはじめます。2時間ほど歩くと、思わぬ所で湿原や池糖が広がります。尾瀬まで
とは言わないですが開放感を感じます。4時30分黒沢池ヒュッテに到着。ドーム型の3階建ての小屋で中は
暗いが広く、太い丸太を使ってしっかり作ってあります。濡れたアロハとTシャツを乾かし、一泊朝食付きで宿
泊します。3時間30分の山行でした。外のベンチで秋刀魚の煮物・胡瓜の浅漬けで麦焼酎の水割りを呑んで
いると、少し霧がかかってきました。呑み終わる頃激しい雨になったので小屋の中に退散します。本日の宿泊
者は7人。夜中も激しい雨が降っていました。妙高山は未だ姿を一度も姿を現しません。

 8月5日 4時、BF(朝食)はクレープです。コーヒー・スープ・クレープはいくらでもお代わり自由。ストロベリ
ージャムとツナマヨネーズを付けてクレープを5〜6枚頂きました。5時に妙高山に向けて出発。BFが早かった
ため早めの行動ができたのは良かったです。妙高山は外輪山の中に独立した立派な山容をして聳えていまし
た。6時に水場です。雪渓の冷たい水をたっぷり呑みます。ここから1時間30分で頂上です。きつい道をひたす
ら登ると、頂上近くに桑の赤い実がありました。たっぷりと食べます。山の恵みを頂きました。
 頂上は2つありました。1つは三角点の所(2446m)。もう1つは妙高大神岩の祠が建っている所(2454m)。
どちらも展望はすばらしかったです。火打山から焼山にかけてのおだやかな稜線が手に取るように見えます。
雪渓も多く残っています。雨飾山も見えます。独立峰は遮るものが無いので好きですね。9時30分に黒沢池
ヒュッテに戻りグレープフルーツを食べて休憩します。小屋のお兄さんに聞くと紅葉の頃が最も忙しく、連日
250人くらい泊まるそうです。
 10時に火打山に向かって出発。このエリアは池糖が広がり湿原に風が流れる天上の世界です。ワタスゲが
白くたなびいています。火打山は頂上近くまで階段が続き、登りづらかったですが、雪渓が多く残っているので
風が心地良いです。虫が多いせいか、鳥の影が濃いです。12時頂上。ガスが濃く展望が全くありません。残念。
1時30分に高谷池ヒュッテに到着。この辺りの湿原も素晴らしいです。天狗の庭と言うそうです。このあたりで
休憩。マスタードをたっぷり付けたソーセージで冷えたビールを呑みます。ここから2時間30分の下りとなります。
4時30分に笹ヶ峰登山口着。11時間30分のトレッキングを終了。
 車に乗るがガスが濃く視界が5mぐらいしかありません。ビームにして下ります。今夜は近くのキャンプ場に行
く予定でしたが杉野沢村の「苗名の湯」に寄ります。その前に「岡田屋」という宿があったので素泊まりでお願い
したらOKでした。隣の「そばの花」という食堂で手打蕎麦と野沢菜と生酒を頂きます。夜半激しい雨が降りました。
キャンプ場でテントを張らないでラッキーでした。

 8月6日  5時に起きます。外は相変わらず濃いガス。本日の山行を迷います。雨でなければ決行しよう。7時
に黒姫山に登ることに決めます。コンビニで食料を買い出します。おにぎり4個。パン4個。水2L。BF用の焼きそ
ば。ココアなど。黒姫山のルートは古池コースを取ることにします。車が3台くらい留められるスペースがある所が
登山口。他に誰もいません。静かなブナの森が広がります。嘗てはこの辺りが宗教の祝祭の場所であったのか。
雨上がりの池の周りのブナの原生林が美しい。空気が旨い。笹藪の中を頂上に向かいます。稜線に出ると冷た
い風が心地良いです。山頂はガスが濃く展望がありません。ガスが時々切れると古池が下方に見えます。山頂
には4人ほどいました。2時40分に下山。7時間30分のトレッキングでした。風呂に入りたいので里に下りる途
中で旨そうなトマトや玉蜀黍を売っている店があったので寄り、むれ温泉「天狗の湯」を教えてもらいます。
 カーナビは有り難いです。ここから約20分。黒姫山・霊仙寺山・飯綱山が浴槽から眺められる展望の湯でした。
さっぱりしてから戸隠オートキャンプ場に到着。ここは焚き火禁止、カーラジオ禁止、発電機禁止等としっかり管理
されています。良いキャンプ場です。戸隠山の稜線がシルエットに浮かび静かな時間がゆっくりと流れています。
幸せな一日に感謝です。

 8月7日 5時起床、晴天。シュラフとエアーマットを畳みます。トイレ、洗面をすまし、その間にお湯をたっぷりと
沸かします。濃いめのココアを飲みます。戸隠山の稜線が朝日に輝いています。高妻山はここからは見えません。
パッキングをします。テントはそのまま張っておきます。食料はグレープフルーツ2個。おにぎり3個。アンパン2個。
黒糖飴少々。テルモスにお湯1L。水2L。非常食少々。6時出発。キャンプ場の隣の戸隠牧場を通って行くとテント
が張ってあり、そこに登山者カードをチェックする人がいます。年配の方でいろいろな情報をいただきました。有り
難い。最初の2時間は沢沿いの道。10回以上の渡渉です。斜里岳の取っつきを思い出しました。最後は鎖場が
2カ所あり、水場でたっぷりと冷水を頂きます。稜線に上がると避難小屋があります。ここが一不動。やっとここから
高妻山が眺められます。屹立した立派な山容です。ここから高妻山へは3時間の稜線のアップダウンです。この道
は地元密着型の凄まじい宗教的エナジーを感じました。普通1合目・2合目などと表示があるのですが、ここは一
不動・二釈迦・三文殊・四普賢・五地蔵・六弥勒・七薬師・八観音・九勢至・十阿弥陀と石の祠が続きます。これだ
け宗教的エナジーが強いのは西側に戸隠山という存在があったからなのでしょうか。戸隠山は八海山と同じように
鎖場の多い修験者の山です。最後の1時間の急登は思い出に残ります。山頂の手前に立派な阿弥陀の祠があり
ます。十阿弥陀です。山頂からの眺めは最高でした。昨日登った黒姫山。一昨日登った妙高山・火打山。雨飾山
も見えます。展望を楽しんだ後、下山。五地蔵に着いた頃、戸隠キャンプ場や戸隠牧場の広がりが見えます。
何とも良い眺めです。グレープフルーツを1個食べました。
 キャンプ場に着いたのが3時。9時間の充実したトレッキングでした。テントを撤収し、おばさんのいる里の売店に
行きます。玉蜀黍・トマト・胡瓜の浅漬けを頂き、むれ温泉「天狗の湯」に向かいます。ゆっくり入ってカーナビをセッ
トします。今夜の泊まりは「渋温泉」です。宿は決めていません。
 この後10日まで気ままな山行を続けました。天候も良く、けがも無く四阿山まで登れたことに感謝です。


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