◆ 魚沼市の三山〜坂戸山、守門・大岳、浅草岳〜 塚本 稔

 〔期 日〕2009年4月17日(金)〜19日(日)
 〔場 所〕坂戸山、守門の大岳、浅草岳のカヘヨノボッチ
 〔メンバー〕塚本 稔、ほか2人

●六日町の坂戸山(坂戸城跡)

 4月17日(金)9時前に六日町インターを降りましたが雨がまだ残っています。近くの大型スーパーで
食料を買うため開店まで待ちます。雨は大分小降りになってきました。開店になったので食料、飲み物
を購入しました。ここには新潟の美味い酒を色々売っています。店の方に坂戸山の事を聞きますとすぐ
近くの山であることが分かりました。
 車を走らせ坂戸山が良く見えてきますと、白い岩か?雪か?白い物が点々と有ります。後にこれは
「タムシバ」の花であることが分かりました。10分弱で登山口の小さな駐車場に着き、一番奥に駐車
出来ました。雨は殆んどあがりました。ナップザックに傘、食べ物、飲み物、カメラを入れ、弟とその友人
の3名で出発します。

 左側の城坂コースを取りましたが、いつしか60歳代の地元の女性と話しながら歩くようになっていま
した。この方は時々来ているそうです。少し歩きますと両側にカタクリの群生があり、花が見事に咲い
ています。この山は高尾山より少し高い634mある地元の里山です。平日の雨上がりで中腹から上は
ガスがかかっていますが、多くの人が来ていたのには驚きました。カタクリは山頂まで途切れること無く
ありますが、山頂付近はまだ残雪があり、これからの開花です。途中には桜やエンレイソウ、イカリソウ、
ケマン、ショウジョウバカマ、コブシなどが咲いていました。ガスの山頂には富士権現社が建っています。
晴れていれば眺望抜群の所です。写真を撮りながらですが1時間10分で着きました。

 帰路は薬師尾根コースを下り、途中から寺が鼻コースに入ります。岩ウチワ、岩梨、雪国三つ葉つつじ
が咲き、麓から見えたタムシバが見事にたくさん咲いていました。このコースは天地人で有名な「雲洞庵」
も見えます。そして誰にも会いませんでした。下山した寺ヶ鼻からは駐車場まで舗装路を歩きます。途中
に直江兼続の墓が在りました。この坂戸山は時間があるので足慣らしに登りましたが、想像もしなかった
良い山でした。次の目的地、入広瀬に向かいます。そして明日の登山口、二分迄下見に行き、明晩の宿
泊先に立ち寄り予約を入れてから、道の駅に行き片隅にテントを張らしてもらいました。

●守門岳の大岳

 4月18日(土)快晴です。今日は守門岳の大岳に東洋一の雪屁を見るために、弟とその友人の3人で
登るのですが、今年は雪が少なく雪屁は小さいそうで期待できません。二分には7時前に着きました。
登山道は右に分かれていますが、通行止めのバリケードがあり車は入れません。直進して駐車できる
路肩に止めて身支度します。新潟の岳友K氏が7時半頃来ますので2人には先に出発してもらいました。
予定時間にK氏が来ましたので出発します。二口の登山口までは除雪してある舗装路を歩きますが其の
先は雪道です。保久礼小屋に行く沢コースは、地面が所々露出した歩きにくい斜面を最後に登ります。
保久礼小屋まで行きますと、其の先に先行した弟たち2人が見えたので休まずに行きます。雪は腐って
いるので歩き難いですが、間もなく2人と合流してキビタキ小屋に着きました。ここで休憩しますが小屋内
には入れません。

 これから先が大変でした。先行の2人に追いつくために早く歩き過ぎたのと、暑さでピッチが上がりません。
天気が最高に良いので佐渡の山、妙高、越後駒ケ岳、明日登る浅草岳等の山が沢山見えますので、
楽しみながらゆっくり歩くようにしました。K氏は強い方で見る間に離れて行きますが、ブナ林も切れて見通
しも良く直線的に登って行きますので不安はありません。3人が休憩して遅くなると見える所まで戻って来
ます。出発から3時間35分かかり、11時10分に大岳山頂に着きました。
 山頂からは粟ガ岳、御神楽岳や飯豊の山並み、その他名前も知らない色々の山が見え素晴らしい景色
でした。そして隣の中津又岳の雪屁が張り出し怖い様に見えます。青雲岳、袴岳を見るには少し南に移動
しませんと見えませんので移動します。青雲岳、袴岳が良く見え、雪屁が張り出し亀裂の大きな口も見え、
今にも崩れそうな斜面や小さな雪崩跡が幾筋も見えます。

 一度鞍部に降りて雪屁の写真を撮り、大岳山頂に引き返しました。12時30分に単独行者を交えて5人で
山頂を発ち、来た道を戻り登山口には14時50分に着きました。登山者とスキーヤーには会ったのは10人
以下で少なかったです。初めて見る光景が多く、驚きと感動の満ち足りた山行でしたが、明日の浅草岳が
心配です。

●浅草岳のカヘヨノボッチ


       (カヘヨノボッチの崩れた雪庇。奥は前岳)

  4月19日(日)快晴です。昨夜は布団の中でグッスリ寝ましたが足が心配です。7時30分に大自然館の
先、数百メートルの地点から今日は3人で入山します。駐車場には昨日守門で会った水戸のスキーヤーの
車が有ります。もう1台は柴犬を連れたスキーヤーの車で先に出発して行きました。このコースはスキーツア
ーコースです。         
 この登山口は最初から雪で、白崩沢を登りますのでアイゼンを着けました。少し登りますと雪の林道を歩く
ようになります。林道が終わりますと植林された杉林の中を歩きます。杉林が終わりますと大きなブナも混じ
るブナ林になり、急な斜面を登ります。暫らく行きますと左側が開けてきますが、切れ落ちている怖い所で、
下はヤヂマナ沢です。雪庇が動き亀裂が入っているので注意しながら歩きます。この状態が暫くは続きます
ので疲れます。時には右に逃げてブッシュの中をよろけながら歩きました。

 前方のピークをスキーヤーらしき人影が消えていきました。そのピークまで30分位かかりましたが、越える
と稜線を歩くようになりますので少し楽になりました。遙か彼方に目的の「カヘヨノボッチ」が小さく見えます。
左側の沢向こうには桜尾根コースの櫓が見えます。その頃から勾配が緩くなり、そして尾根も太くなってくる
ので安心して歩けました。
 やっとカヘヨノボッチまで標高差200mの地点まで来ましたが、ここからが勾配が急になりなす。振り返り
ますと昨日登った守門岳が大きく見えますが、昨日より温かいのと天気が下り坂のため遠方はガスってい
ます。少し登り始めますと水戸のスキーヤーが降って来ましたので、「早いですね」と話しかけますとスキー
の方が壷足より楽だと言います。
 登山口から4時間20分かかり、11時55分に目的とした三角点のあるカヘヨノボッチに到着しました。
ここまで来ますと目の前に雪で真っ白な前岳、その奥に浅草岳が見えます。行きたい衝動に駆られましたが
体力と時間を考えるとここが限界です。昼飯を食べながら周囲の山を眺めますと、守門岳と同じように雪崩跡
や雪庇の亀裂が見えます。危険度は浅草岳の方が高かったです。ここで会った人は登山者1人、スキーヤー
2人でした。

 12時35分に下山を開始して、往路を忠実に辿り14時33分に無事下山しました。天候にも恵まれて雪山
を満喫し、2日間無事歩き通せたことは、「冬山・雪山入門研修会」を受講していたためにできたことだと感謝
しています。シリウスの代表、リダー、インストラクター、幹事他会員の皆様有難うございました。帰りの関越
道は事故で、沼田―渋川間が通行止めで10時30分頃無事帰宅しました。


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