◆丹後山~中ノ岳                塚本 稔

利根川水源の碑 中ノ岳 山頂

日時:9月6日~7日
メンバー:単独

越後三山の中で未登の山「中ノ岳」に登るには、丹後山避難小屋に一泊して「丹後山」から「中ノ岳」に行く縦走コースにしました。

第1日 9月6日
 8時10分に十字峡の駐車場を歩き出し、なだらかな林道を約40分歩くと、栃ノ木橋登山口に着きます。ここを8時50分に出発、ブナ林の中を初めから凄い急登です。9時15分、一合目を通過、4ℓの水を入れたザックは重く大変身に堪えます。9時45分、二合目で休憩、ここまでは凄い急登が続きましたが、その後も八合目までは急登の連続でした。この辺から明日歩く山並が眺められます。
10時55分、四合目で早い昼飯を食べながら休憩していると、丹後山を日帰りで登った若い男性が降りて来ました。少し話しをしますと、十字峡から中ノ岳に登る登山道はもっと急坂だと言われ、明日の下りが心配になってきました。12時26分、シシ岩手前の小さな岩で休憩していると、大水上山を日帰りの4人が降りて来たので聞きますと、丹後山避難小屋には誰も居なかったと言われました。
12時45分、シシ岩(八合目)を通過しますと、チシマ笹に覆われたなだらかな丹後山が、目の前に大きく見えて来たので元気が出てきました。13時7分、九合目分岐を直角に左に曲がって行きます。登山道の笹は刈り払われて、歩き易い道になっています。
13時14分、丹後山避難小屋に到着しました。中に入りますと綺麗な小屋です。まだ泊り客は誰も居ませんが、スズメバチが2匹居ましたので窓を開けて追い出しました。一人では寂しいし、多すぎても・・なんて思っているうちに、富山の年上の男性が到着し、今夜の泊まり客は2名になりました。水は天水が外の1トンタンクに満タンに溜まっているようでした。タンクにはコックがついているので少々使わせてもらいました。外に出ますとガスで50m先は見えません。暗くなる前に夕飯を食べ7時前に寝ていました。

第2日 9月7日
4時過ぎ起床、昨夜のガスは無く晴れていました。簡単な朝飯を済まして用足しに外に出ますと、雲海の先が朝焼けで赤くなって来ました。その後カメラを持ち出し撮りましたが、最高の時は残念ながら過ぎていました。
5時20分、丹後山避難小屋を出発しますと、間もなく丹後山山頂に着きます。丹後山を過ぎた頃に日の出が見られましたが、気温が高いのでスカッとしていません。今まで刈り払われていたチシマ笹は刈り払われず大きくなり、登山道を塞ぐようになっていました。ストックで両サイドの笹の朝露を払い落としながら進んだのですが、直ぐにズボンは濡れてきました。大水上山に向かう途中に、利根川水源の碑がありました。
5時55分、大水上山に到着です。山頂は少し開けています。ここで濡れたズボンと靴下を替えてレインズボンを履きます。富山の男性が先行して行きました。初めからレインズボンをはいていればと悔やまれます。ここで30分のロスです。ズボンと靴下はザックに吊るし、乾くようにして出発しますが、中ノ岳は遙か彼方です。
6時56分、兎岳に到着しました。山頂左側を見ますと、目指す中ノ岳の岩稜が良く見えます。右前方には荒沢岳に行く登山道が見えます。後ろを振り向きますと、今まで苦労して歩いてきた笹原の登山道が、皮肉にも綺麗に見えます。中ノ岳へはこの兎岳を回り込むように左に曲がって行きますが、これからも大変です。降りて登って小兎岳です。そして鞍部までは相当下ります。途中にはトリカブト、シシウド等の花が咲いているお花畑があり、疲れを一瞬忘れさせてくれます。鞍部の笹原を歩いている時に、中ノ岳から来た男性とすれ違いましたが、スパッツだけなのでズボンはびしょ濡れでした。
ここからがまた大変です、池の段手前のピークまでは長い登りで、疲れた体には堪えますが、頑張って登ります。岩稜の尾根道に出ると楽になり、間もなく池の段です。9時7分、池の段九合目に着きます。此処まで3時間47分かかっています。ここからは山頂まで20分位です。やっと余裕が出ましたので右下を見ますと、沢に雪渓が見えます。少し登りますとお花畑があり、マツムシソウ、リンドウ、オヤマボクチが咲いていました。
 9時29分、長い間の念願だった「中ノ岳」山頂にやっと着きました。4時間9分かかりました。山頂には鳥居と祠が有り、富山の男性と他の男性の2名が休んでいました。山頂の向こう側には中ノ岳避難小屋が見えますが、駒ケ岳はガスの中で見えません。記念写真を撮り、少し先に建っている中ノ岳避難小屋に行きます。
9時39分、中ノ岳避難小屋に着きました。外に積まれた材木に、濡れたズボンと靴下を乗せて乾かします。中に入りますと丹後山避難小屋と同じく綺麗に整理されていました。ズボンが乾くまで休ませてもらい、その間に早い昼飯を食べて着替えをしました。帰り際開け放された窓があるので閉めようとこごんだ瞬間、額に激痛が走りました。何が当たったのか見ますと、窓の上に一枚板の棚が打ち付けてあり、その先端にモクネジが60センチ間隔くらいに何本も出ていました。額が切れたかと思いましたが腫れただけで助かりました。何かを掛けるためのものでしようが、危険だと思いました。
10時30分、お世話になった中ノ岳避難小屋を出ます。10時35分、「中ノ岳」山頂に戻り、再度写真を撮り下山にかかります。10時48分、池の段九合目からが急坂の下りです。初めのうちは涼しくて良かったのですが、下るにつれて暑くなってきます。傾斜が緩くなる七合目頃からは、陽が当たるようになり暑さでバテてきました。
11時52分、池塘の淵の日陰で腰を下ろしたいのですが、良い場所は無く立ったまま小休止をします。後ろを振り返って中ノ岳を見ますが山頂はガスの中です。ここから日向山五合目までに3ケ所池塘があり、1ケ所にはオタマジャクシが浅瀬で日光浴をしていました。日向山には少し登り返しますがバテた体には堪えます。途中で草が穴に吸い込まれたような窪みが2ヶ所ありました。これは何でしょうか?
 12時13分、日向山五合目到着、立ったまま小休止をします。此処を過ぎますと急な下り坂になります。乾いた土に小砂利の浮いた道で、ジグザグでなく直線的に下っているので、滑るし爪先や膝に負担がかかります。ユックリ下るしかありません。13時50分、水場入り口で20分の休憩、水場へ60mとあるので顔を洗いに行って見ましたが、なかなか着かないので戻りました。疲れただけでした。
14時50分、酷い急坂は過ぎましたので休憩を20分取ります。滝のような水音が聞こえるのですが中々十字峡の登山口に着きません。予定していた16時が近づいてきます。あせる気持を抑えつつ歩きますと、やっと十字峡の登山センターが見えてきましたのでホットします。最後に道路の法面に作られたコンクリートの階段を無事通過して、15時48分無事下山しました。
念願だった山に登れた達成感はありますが、反省点も多くありました。今回の山行は上りも下りも急坂で大変でした。それと丹後山から中ノ岳の間が相当数のアップダウンがあり体力を消耗しました。その他、朝露でズボン等を濡らしてしまう不始末をしてしまった。そして暑さにバテタのも、夏が天候不順のために夏山を多く歩いてなかったので、暑さに慣れていなかった。今回はトレーニング不足と未熟な自分を反省する山行になりました。

コースタイム:
9月6日
十字峡(8:10)~栃ノ木橋登山口(8:50)~2合目(9:45―55)~4合目(10:55―11:15)~7合目(12:18)~休憩(12:26―36)~8合目(12:45)~9合目分岐(13:07)
~丹後山避難小屋(13:14)泊まり
9月7日
丹後山避難小屋(5:20)~丹後山(5:22)~大水上山(5:55―6:25)~
兎岳(6:56―7:00)~池ノ段(9:07―10)~中ノ岳山頂(9:29-35)~
中ノ岳避難小屋(9:39-10:30)~中ノ岳山頂(10:35)~池ノ段9合目(10:48)~
小天上7合目(11:24)~休憩(11:52-55)~5合目(12:13-15)~3合目(13:17)~水場入り口(13:50-14:10)~休憩(14:50-15:10)~十字峡登山口着(15:48)


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