◆秋の甲斐駒ケ岳

日程: 2011年10月29日(土)〜30日(日)
メンバー: (L)藤野、國井、石川
報告: 石川

 

 
 29日は仙丈ケ岳へ登っており、小仙丈ケ岳から見た南アルプスの山々は雄大なものだった。 中でも北岳と甲斐駒ケ岳は印象的だ。 多くの尾根があり周りの景色の中で最も高く存在する北岳。 一山だけ単独峰のように鋭く、白く雪化粧をしたような姿の甲斐駒ケ岳の美しい姿を見ることができた。近くにある甲斐駒ケ岳は登山ルートを確認することができ、六方石からのクライミングルートは今まで経験のない私の心に大きな印象を残した。
 30日は夕方から雨の天気予報のため、夜明けと共にテントを出発し、仙水小屋を目指す。
ほぼ11月の早朝は肌寒く、歩き出して直ぐに眠気はどこかへ消えて行った。 沢沿いを歩いていくと仙水小屋はあっという間に現れ、目の前に水場があった。 ここの水は藤野さんおすすめ給水ポイントとのこと。 急いでザックから水筒を取り出し中の水を入れ替え、備え付けのコップをお借りして水を飲むと冷たく非常に透き通ったような味のする水だ。 仙水小屋を出発し、仙水峠を目指す、途中で樹林帯を抜けると左手に石塊でできた斜面が現れだし、程なくして左右の山腹まで、同じような景色になり始めた。 今までこのような景色を経験したことのない私にとって、ここの異質な感じ日本ではなく、広大な土地のあるアメリカなどに居るような錯覚さえした。この不思議な感覚を持ったまま仙水峠に向かうと、目の前に白く輝く摩利支天が現れ、ここから望む摩利支天は圧巻であった。
 仙水峠では藤野さんから甲斐駒ケ岳は花崗岩で形成されているため、白く、水もおいしいのだと教えていただく。 なるほど。 一部のみ異なる岩石のため非常に白く、鋭い斜度が甲斐駒ケ岳を際立たせているのだと実感した。
 仙水峠から駒津峰は周囲の山を見ながらゆっくりと登っていき、駒津峰から六方石まではちらほらと石が現れ始め、注意しながら登山道を歩いていく。
 六方石から甲斐駒ケ岳山頂までは直登ルートを選択。 ここからはクライミングがメインのルートで、疲労を感じながら一岩づつ攻略していく。 体重を乗せる場所、手でつかむ場所などを選びながら進むこのルートは、登山中の体の使い方を学習するには非常によかった
  直登ルートを登りきり、山頂に到達するとほぼ同時に雪が降ってきた。 秋の山の天気は変わりやすいと聞いていたが、10月に降雪を目の当たりにするとは思わなかった。 藤野さんよりこの時期の登山はアイゼンを持ってくるのが通常とのアドバイスを頂いていたので、冬山用の装備を持参したため全く問題ないが秋山に対する考えを改める良い機会となった。
 帰りは巻き道コースを採り、駒津峰からは双児山経由で北沢峠へ下山。 途中で雨が降ったり止んだりを繰り返していたが、北沢峠に着くころには雨が降り続けた。 テントを回収し、バスを待っている間に自分の汗と外気温の低さなどから体が冷えてしまった。 夏でも疲労凍死がある理由を自分の体で身をもって体感することができ、着替えや服の大切さを改めて考えさせられた登山であった。
 帰りの仙流荘行きのバスが出発して直ぐに、バスから3mくらいのところに、もみじを食べるカモシカを見ることが出来、雨の中歩いてきた私たちに、ねぎらいの言葉をかけてくれたように思えた。

<コースタイム>
北沢峠テン場5:45―仙水小屋―仙水峠(7:00-7:10)―駒津峰(8:25-30)
―甲斐駒ヶ岳(10:05-25)―駒津峰(11:20-30)―双児山(12:05-10)―北沢峠(13:15)

 


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