◆冬の権現岳

日程: 2012年2月4日~5日
メンバー: 藤野(L), 石川, 國井
報告: 國井

 

 
東ギボシの撤退地点より権現岳   左の鋭いピークは東ギボシ、右が権現岳

 

 初日、快晴の中、八ヶ岳高原ラインから観音平への分岐(観音平への車道は冬期閉鎖だった)を出発。程無く車道を外れ、藤野さんのお気に入りだと言う、観音平へのコースに入った。進行方向には権現、振向けば甲斐駒、お~!藤野さん、お気に入りも納得!
 観音平を経て押手川迄は、積雪は有るもののトレースが“まだ”有り、歩くには苦も無かったが、それでもなかなかの時間が経過していたし、疲労もなかなかの感じ。何故?! あ~、荷が重かった! 多分、今迄で最重量26、7kgを担いでいたし、藤野さんのザックもデカイ! 石川も最重量を記録していたに違いなく、これでは速度が上がらないのも納得! これも雪山ならではか、ま~ま~こんなもんだよな、なんて軽く考え、この後、待ち構えていた雪山の洗礼をこの時は知る由も無かったんです。
 押手川からは編笠山方向にトレースは見えるものの、青年小屋へのトラバース方向にはトレースは見えず、一歩足を出せば踝越えの積雪、進んで行く毎に脹脛迄となっていった。先頭は藤野さん、次に石川、殿に僕の順で進んで行くが更に速度は落ち、何時になったら着くのだろうと考えていました。やっと青年小屋まで20分の案内板が目に入ってきた。時刻は16:00、ここまでの経過時間を考えると後20分も当てに成らない事も分かっていても、「後ちょっとだから頑張ろう!」という気持ちと、何時の間にか空も雲に包まれ薄暗く、風も吹き始め焦りを感じていた事も有り、また殿(最後尾)で楽もしていたので、「先頭変わります」と告げ、ラッセルを買って出ました。!!!、?!。辛い!キツイ!積雪は既に膝上!太腿越え!の連続、雪質は湿気の無いパウダー、かんじきを付けても状況は変わらず、これが雪山の洗礼だと思った。この後、1時間か1時間30分ラッセル、息は絶え絶え、足はパンパン、17:30やっとの思いで青年小屋到着、冬季小屋をヘッドランプの明かりの元探し出し駆け込みました。冬期小屋は出来て間もない様で壁も奇麗、青みの残った畳敷きで、快適この上ない所でした。小屋での食事は石川が担当、藤野さんも絶賛の坦々鍋と持ち寄ったアルコールを食し、ー10℃越えの中、楽しい一時を過ごしました。あっ、疲労はピークでした立上がる度、太腿に激痛が走ってましたね(笑)。
 翌朝5時に起きたものの、みんな疲れもあってか動きが鈍く、権現に向けての出発は7時を回ってしまった。コースは青年小屋から膝迄、次に太腿、胸迄のラッセル、僕は1/4程度で音を上げ、残りは石川が頑張ってくれました。石川も雪山の洗礼をどっぷりと受けた様でしたね。ノロシバから先の稜線も大半が膝までのラッセルを強いられ、ザ・雪山を堪能?”させられました”。とは言うもの僕はノロシバの時点で既にグロッキー状態、そこより先は藤野さんと石川のペースには着いて行けず、距離を置き最後尾異常なし?の状態でした。何とか東ギボシ迄行き着きついたのですが余力は残って無く、ロープを出し急斜面を渡る準備している藤野さんに、僕は「この先に行く自信がありません」と告げ、アタックはここ迄となりました。藤野さんと石川への申し訳無い気持ちと自分の不甲斐無さで、サングラスの内では目頭が熱くなっていました。そんな時でも、ふーっと目に飛び込んでくる山での風景は”beautiful”で、そんな僕の気持ちを慰めてくれ「また頑張ろう」と思わせてくれました。その後、青年小屋へ戻り昼食をとって無事下山、山行終了となりました。
 2日間を通して行動時の気温は初日の日中に一時2~3℃になりましたが、それ以外はー10~0℃でした。

<コースタイム>
4日:観音平口9:00―10:43観音平10:52―12:45雲海展望台12:50―14:00押手川14:11
  ―17:35青年小屋  
5日: 青年小屋7:15―9:06ノロシバ9:24―10:55東ギボシ・撤退場所11:10―11:40ノロ
   シバ11:52―12:20青年小屋13:47―15:19押手川15:30ー15:55雲海展望台16:05
   ―16:46観音平17:00―18:06観音平口

 

 
西ギボシを登る國井さん   青年小屋の冬季小屋の入り口です

 


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