◆西黒尾根から谷川岳
 残雪期の最後を楽しむ

日程: 2012年5月26日発~27日
メンバー: 藤野(L)、石川
報告: 石川

 

 オキノ耳にて

 

 一ヶ月ほど前、白毛門へ登山した時の谷川岳は雪崩が多発し、荒々しい姿を見せていた。雪崩が発生するときの「ゴゴゴ・・・」と鳴る轟音は、今まで山で感じたことがある危険とは違い、恐怖を全身に感じたことを覚えている。
 26日、我らが勝手にベースキャンプと命名した谷川岳ロープウェイ立体駐車場にてテントを設営。がら空きの駐車場は車の横にテントを張れるのでまことに便利である。ベースキャンプにするには最高の場所で、屋根あり暴風壁あり、おまけにトイレもある。当然水道だってある。山のテン場ではあり得ないほど平らな床は何をするのも楽。コンクリート製の人工物は偉大だね。
 テント設営後、宴会を開始。前回の寝過ごしを踏まえて軽く飲み、翌朝の登山に向けて早々に眠りについた。
 27日、3:30、今回は寝過ごすことなく起床。早々に朝食、テント撤収を済ませ、4:30には谷川岳登山指導センターへ向った。登山指導センターの湧水で水を補給後、登山届を出すため登山センターへ入ると、既に多くの人がおり、にぎやかな雰囲気。最近は登山者の少ない山が多かったので、若干違和感を感じながらも有名な山に来ていると、改めて気が付いた。
 登山指導センターから広い林道を少し歩くと、西黒尾根登山口に到着した。これより登山道を進む。新緑の木々は夏の到来を予感させる景色で、とても気持ちいい。足元にはもう雪は無く非常に歩きやすい。雪崩の後を一箇所抜け、視界が開けてくると次第に岩場が目立ってくる。
 鎖の岩場を抜けるとガレ沢の頭へ到着し、ここでひと休み。ここからは白毛門、笠ヶ岳、朝日岳、清水峠。馬蹄型の反対側の山も見える。そして、正面の谷川岳は雪が残り、鋭い岩場が目立つ。西黒尾根はとても眺望がよい。
 進み始めると横から何度か雪崩の音が聞こえてくる。谷川岳は雪崩が多く、雪によって岩が磨がれているためミックスルートが多いそうだ。そのうち挑戦してみたいものだ。
 ザンゲ岩を抜けて肩ノ小屋が見えてくると、ほぼ同タイミングで雪道となり、雪上を歩く感覚が懐かしい。西黒尾根は急登と聞いていたが、ロケーションがよいためか、意外と楽に抜けてしまった。
 肩ノ小屋を横に見てトマノ耳へ向かうあたりから、天神尾根からくる登山者と合流した。軽装備の人が多いのを見ると、12本爪はザックの中だが、ピッケルを持っている我々との装備の違いに驚く。しかし夏の到来を人から感じることができた。
 オキノ耳へ到着すると周囲の山々がはっきりと見え、歩いてきた西黒尾根や、はるか向こうの清水峠、朝日岳を見ると馬蹄型を一周してみたいと思った。オキノ耳を後にして、肩ノ小屋で昼飯を食べることにした。外にあるテーブルで平標山方面の尾根を望みながら食べると、ただのカップラーメンがおいしいのが面白い。食後にコーヒーを肩ノ小屋で飲みながら、小屋の中を物色してみると、ドコモのアンテナや2段式のベットなどがあり、テーブルもきれいで居心地がよく、携帯電話で情報も収集できるよく整備された小屋だと思う。
 下山はよく整備された天神尾根をのんびりと下って行った。途中都岳連の研修登山の団体が登ってくるのに遭遇し渋滞したが、あっという間に熊穴沢避難小屋に着いてしまった。かなりしっかりとした避難小屋で冬の利用もできそうだが、冬季は屋根まで雪で埋まるそうだ。中に入ってみようとしたが、雨が降ってきたのでレインウェアを着て早々に出発することにした。避難小屋の居心地は次回へパス。
 天神峠リフト駅に到着するまでに数回雪上を歩くことになるが、難所がないため、あっという間にリフト駅へ到着。リフトを利用し天神平山頂ロープウェイ駅へ降りると、雪を集めて作られた巨大な雪だるまが残っており、ハイヒールを履いた観光客などを見ると、下山したことを実感。ロープウェイを利用して下山した。

<コースタイム>
谷川岳登山指導センター4:40発~5:10鉄塔~7:25ガレ沢の頭(ラクダのコル)
~9:00ザンゲ岩~9:25トマノ耳~9:50オキノ耳~10:10着肩ノ小屋10:50
~11:45熊穴沢避難小屋~12:30天神平リフト乗り場。
&谷川岳登山指導センター13:10着

 

 
オキノ耳からの白毛門~笠ガ岳~朝日岳方面   ラクダのコル付近から見た西黒尾根の上部  
 
下山のリフトからみた谷川岳  

 


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