日程: 2013年4月27日(土)~28日(日)
メンバー: 國井、石川
報告: 國井

 

 
仙水峠から甲斐駒   駒津峰より仙丈

 

 今シーズンの冬は週末の天候の条件と自分の予定が合わず、雪山に全然行けていなかった事もあって、せめてGWには何処か行かなきゃなー、なんて変な義務感にも駆られ、ここ2週間くらい山の選定に勤しんでいたんです。最初は「北岳でも、やったろか」と考えたりもしていたんですが、冷静に考えると、一回も行った事の無い山に雪山デビュー・・・?いやいや、そんな度胸も蛮勇も持っていない事に気付き(笑)、「それじゃ行った事のある仙丈と甲斐駒にすっか」ってな事で行き先を決定。当初は単独山行で考えていたんですが、石川に声を掛けた所、帰郷を取止め一緒に行くと言うので、2人で行く事に。
 初日は3:00AMに集合し、歌宿への始発バスに乗る為、仙流荘へ向け出発。5:40AM過ぎに仙流荘無料駐車場へ到着、身支度を整えバス停へ。バス停には既に20人前後の先客、それと警察官が数人で登山情報を配布しながら注意喚起をしている。その情報には例年より残雪の量が多い事と先週末にも纏った降雪&昨晩も降雪が有ったので、更に注意して欲しいとの事。そうこうしている内にバスの出発の時間、待合室の外に出てみるとバスを待つ登山者は50人程になっていたと思います。バス2台、満車での発車でした。歌宿に向けて進むバスの車窓から空を見ると、自宅を出る時に見た天気予報では晴れると言っていたのに曇天、雲の流れも早く、天気図を見て危惧していた方へ天候が傾いたかー、と考えていた。歌宿から北沢峠までの林道歩き中も、早い雲の流れの切れ目から時折、陽が覗くものの、やっぱり曇天基調、それでも、いーオッサンはワクワクしながら闊歩中。
 北沢峠へ到着!!ヤバイ!雪だ!(降ってません、積もってる雪です)。出発前ヤマレコの投稿では2週間前の情報があり、長衛小屋のテン場には雪が無く・・・。油断です。スノーペグにスコップを持ってきていない、二人とも。テン場で30~40cmは積もっている。それでも、なんとかテントを設営し、仙丈へ出発。おーっと登山道も、ガッツリ雪!雪質は下部に腐れ雪が有るものの、2合目より上では風の通り道ではクラスト、それ以外ではフカフカ、地が見えているところは皆無、まんま雪山。それでもテンションを上げ?上がんないんです(笑)、林道歩きで疲れたのか気圧が低いからか、はたまた酸素が薄いからか、なーんかテントでゆっくりしたい衝動に駆られてました(石川も、ちょっと思っていたらしい)。少しずつ標高を上げ尾根に出ると、強風!下山してくる人も強風で6合目迄で引返して来たと、「今日は、それ以上行っている人はいないでしょ」の話を聞いて、今日の目標は6合目に決定、重い足を一歩一歩進め森林限界をちょっと超えた6合目へ到着。お~すっごい風だ!ここだけなら、この風でも耐えられるけど、この上行ったら、まー確かに危ないなって感じで、石川も渋々納得したみたい。写真を撮って、早々に引揚げ様とした時、雲が切れ小仙丈、北岳現れ、プチ絶景のプレゼントを頂きました。
 グングン標高下げ、テン場へ下る道で事件が発覚しました。石川が「俺のテントが移動してる」と言ったんです。???、最初、石川が言っている事が理解できず、自分のテントを見ると、横に張って有る筈の石川のテントが無い事に気付き、石川の目線を追うと、20~30m離れた木の横に石川のテントが有るのが分かった。その時、理解できたんですね~、そー、風で飛ばされたんです。上空の風も然る事ながらテン場も風の通り道になっており、突風が吹いていたらしく、他にも捩れたテントが数張り有ったんで理解できたんです。先に見た光景は飛ばされた石川のテントを奇特な人が木に括りつけてくれた光景だったんです。俺のテントは辛うじて無事、しかし小枝を拾ってスノーペグ代わりにし張綱の張り直し、石川はテントを回収し再設営、その後は2人共テントに入り2:00PMか3:00PMだったんですが夕飯の準備をして4:00PMにはシュラフの中で就寝。寝る時間が早い理由は、俺は何時もの事で山で熟睡できないので少しでも寝る時間を増やして体力を回復をさせる為で、石川は翌日聞いたらテントを飛ばされた事で心が折れたからって言ってましたね(笑)。

 2日目(最終日)3:00AM頃起床、各々支度を整えて4:30AM頃、甲斐駒に向けてテン場を出発。雪の状態は早朝という事も有り良く締って、アイゼンの歯が良く利く状態でした。仙水小屋に着く頃にすっかり夜は明け、仙水峠では燦々と輝く朝日を浴びながら清々しい一時を堪能し小休止の後、駒津峰へ。清々しい朝とは裏腹に、体調は下降線って感じで「駒津峰で終わりでも良いか」なんて弱気が早くも顔を出していたが、ガンガン先を行く石川に引張られる形で駒津峰へ到着。風は、やや強いが昨日程では無く、天候も快晴、視界良好!時間も早く体調が万全であれば難なく甲斐駒も登頂できる状況な筈だが、気持ちが前に進まない。しかし、そんな俺を尻目に石川は更にガンガン突き進む。昨日、仙丈に登頂できなかった鬱憤を晴らすかのように(笑)!そんな石川に「止めようぜ」なんて言える筈も無く、20m先を行く石川を追いかけるオッサン一人。六万石で石川に追いつき、甲斐駒山頂を見上げると突如、ヤル気が回復、ここからガシガシ直登ルート突き進みました。ま~しかし、ヤル気は回復したものの体力が回復する筈も無く、空元気全開で頂上へ突き進みます。
 9:30AM無事登頂!三角点で石川とハイタッチ!先ずは証拠の記念撮影。2人ともヘロヘロ状態なので風を避け、岩陰でカロリー補給、「ホッ」と一息。一瞬風が止んだのでトップに出、周囲を落着いて見渡す「オー!」360°の大パノラマ!(何が見えるかは、言わずと知れているので書きませんが)「いや~最高です」、この突風も「最高です」、全てが「最高」でした。
 名残惜しいですが、バスの時間もあるので下山開始です。駒津峰を見下ろすと、続々と登山者が登って来るのが見えます。後続との擦違いは仙水峠を過ぎるまで断続しました。下りは2人とも疲労困憊!テント回収後の歌宿までの林道歩きが拷問の様でした(笑)。
 最後に今回、甲斐駒に登頂できた事では石川に感謝です。軟弱オッサン1人では途中で諦めていた事でしょう。石川のガッツに感謝です。
 
<コースタイム>
4月27日(土)
 6:05仙流荘始発バス→6:50歌宿出発→8:50長衛小屋(旧北沢駒仙小屋)-テント設営
 →9:40仙丈ケ岳へ出発→12:30六合目着-12:40下山→13:50テン場着
4月28日(日)
 4:40甲斐駒ケ岳へ出発→5:30仙水小屋→6:00仙水峠→8:00駒津峰→9:30甲斐駒ケ岳山頂
 -9:40下山開始→10:50駒津峰→12:30テン場着-13:30歌宿へ向けて出発
 →15:15バス乗車で終了

 

 
仙丈ケ岳6合目にて   甲斐駒山頂にて

 

 


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