日程: 2014年5月1日(木)~2日(金)
メンバー: 佐々木
報告: 佐々木

 

 
涸沢から奥穂高の朝焼け
 
  山頂で記念撮影
 
 今年のGW、去年から暖めていた計画である、涸沢から奥穂高に登ってきた。去年のGW、槍沢から槍ヶ岳に登った上高地から横尾までの遊歩道を、冬山装備プラステントの重荷をかついで、3時間の遊歩道歩きと槍沢から槍ヶ岳の肩までの登りが長くとても辛かった。
 しかし、快晴のなか、槍ヶ岳の山頂に立った時には、素晴らしい景色だった。常念岳、蝶ヶ岳、大天井岳、などの常念山脈、そこから延びる東鎌尾根、西鎌尾根から延びる裏銀座の山々、そして大キレットから続く奥穂高への稜線。槍ヶ岳に登った後、奥穂高に登ろうと思っていたが、天気が崩れてきたこともあり、断念した。
 今年のGWは、5月2日が快晴が予想されるため、この日をアタック日として、前日は雨が降りそうな天気だが、何とか涸沢まで移動する計画とした。
 沢渡まで、車で移動し、沢渡バスターミナルから上高地行きのバスに乗り込む。上高地に着くと登山計画書を提出する。アイゼン、ピッケル、ヘルメットを長野県警の方に確認される。
 ここから横尾まで3時間の遊歩道歩き。退屈だけど、左手に見える明神岳、屏風岩が気持ちをワクワクさせる。横尾で休憩し、昼食を食べ、スパッツを装着する。雨が降りそうだったので、防水の手袋を着用する。
 横尾大橋を渡り、いよいよ山道に入る。橋を渡ってしばらくすると、雪がでてくる。
アイゼンを付けず、1時間くらい歩くと、本谷橋に着いた。雨も本降りとなってきたため、レインウェアを着用し、アイゼンも付ける。本谷橋から沢沿いを進むが、ゴゴゴーと音が響く。最初はヘリコプターの音かと思ったが、雪崩の音だった。山道には雪が届かない小規模なものだが、なかなか迫力があった。
 徐々に高度を上げ、1時間歩くと涸沢ヒュッテの屋根が見えてきた。しかし、ここからが長く、30分以上かけて、テント場へ着いた。テント受付には、スコップの貸し出しがあったが、ここまでマイスコップを担いできた。もちろん、マイスコップを使って整地し、テントを設営した。整地の最中にべた雪が降ってきたため、急いでテントに入った。インスタントラーメンを食べて、明日の準備をして、就寝した。
 翌日は、4時起床。朝の準備をして、外に出ると、前穂高、奥穂高、北穂高の朝焼けが見えた。今日の快晴を確信した。5時半にテント場を出発。先行者のトレースをたどり、いきなりの急登をゆっくり進む。
 ザイテングラートの取り付きらしき所で少し休む。体が暖まり、朝から着ていたダウンジャケットを脱ぐ。ここからは更に傾斜がきつくなるため、アイゼンをしっかり蹴り込む。
岩が露出している所を左に進む。どんどん傾斜がきつくなり、穂高岳山荘手前では、傾斜が45度くらいと感じた。
 穂高岳山荘がある白出のコルでは風が強かった。山荘から奥穂高方面の尾根にでる登りがとても急に感じる。今回の山行の中でここが核心部と感じた。特に2つの梯子の前後の部分が、傾斜が50度以上?で、鎖も出ていなく、体を確保するのに、アイゼンとピッケルをしっかりと使った。
 その後も、尾根に出てから、急傾斜をトラバースする所で何度か緊張を強いられた。
しっかりとアイゼンを効かせて登ったが、もし滑ったら、飛騨側の谷底を落ちていく。尾根を慎重に進み、何とか奥穂高山頂に到達。素晴らしい景色が広がった。
 南の方は富士山、南アルプスや中央アルプス、御嶽山や乗鞍岳、八ヶ岳、白山も見える。 北に目を向けると、槍ヶ岳まで続く縦走路、黒部五郎岳や双六岳などの裏銀座方面、そして遠く妙高山などの頸城山塊も見える。
 西穂高までの稜線や、前穂高までの稜線にトレースは無かった。もっとゆっくりと景色を堪能したいが、雪が緩むと下山時に危険なので、下山し始める。下りも緊張しながら、ゆっくりと下る。山荘手前の下りでは、雪が緩んで下りが少々きつかったが、なんとか下りることができた。
 穂高岳山荘から、涸沢までは半分くらいシリセードで下る。あっという間に涸沢に到着した。涸沢で昼食をとり、山道具を天日干ししながら、テントを撤収する。
 今日の上高地⇒沢渡の最終バスに乗ろうと思っているので、足早に涸沢を後にする。涸沢カールの景色ともお別れだ。涸沢から緩んだ雪の斜面をかけ降りて行く。15kgほどの荷物と、昨日からの疲れでヘトヘトになりながら、2時間程で横尾に着く。
 横尾でパンを食べながら、徳沢にテントを張り涸沢カールを見に行ったご夫婦と話をした。もう少し話をしたかったが、バスの時間があるからと、また歩き出す。横尾を出たのが14時40分。最終バスは17時だが、山と高原地図のコースタイムは3時間10分。
コースタイム通りだと、17時50分になってしまうため、はや歩きする。ザックが重く、肩や背中が痛い。徳沢に着いた時間が3時半。このペースだとギリギリだ。
 疲労はピークだったが、何とか歩く。明神を通過し、あとは上高地までだ。上高地バスターミナルに着いたのが、4時55分。57分にバスが出発したため、本当にギリギリだった。
 今回は、初日に雨・雪が降ったが、2日目は天気に恵まれた。穂高岳山荘からの道は、緊張する箇所も多かったが、山頂では、360度のパノラマに恵まれた。また、天候の良い日に山に出かけたいと思う。

 

 
白出のコルから常念岳
 
  奥穂高山頂より、槍ヶ岳までの稜線
 
<コースタイム> 
5月1日
09:35 上高地
10:10 明神
10:55 徳沢
11:45 横尾(休憩、スパッツ着用20分)
13:10 本谷橋(アイゼン装着)
15:00 涸沢(テント泊)

5月2日
05:30 涸沢
06:30 ザイテングラート取り付き辺り
08:00 穂高岳山荘
09:15 奥穂高山頂
10:25 穂高岳山荘
11:15 涸沢(昼食&テント撤収、1時間35分)
13:35 本谷橋
14:30 横尾
15:30 徳沢
16:15 明神
16:55 上高地

 


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