日程: 2014年11月16日(日)
メンバー: 藤野(L)、加藤
報告: 加藤

 

獅子岩のピークにて、後方の山が子持山。
 
 それは11月の最初の日曜日。三つ峠行きが悪天で中止になり、家でのんびりしていると、藤野さんからメールが来ました。「マルチピッチルート集の中の『子持山・獅子岩』のページをコピーして持ってきて貰いたい」との事。午後からジムで一緒に練習する予定だったので、了解の返信をして、ページに目を通す。7ピッチのルートだが、最高グレードは4ピッチ目の5.8で、あとは5.7と、グレード的にはなんとなく物足りないが、ロケーションは良さそうだ。
 予定が近づくにつれ天気も良い予報で、普通ならソワソワしてくるのに、仕事でバタバタしてそれどころじゃありません。なんとか土曜日の仕事を終わらせて帰宅したのが22時過ぎ。晩酌もせず慌てて支度をして就寝。

 当日。3時半起床。まだ夜ですね。忘れ物は無いか最終チェックをして、出発。始発の横浜線で八王子へ。藤野さんは一足早く到着していた模様。荷物を積んでいざ。日曜日の早朝なので道はがら空き。ちょっと道に迷ったりしたけど8時過ぎに登山口の7号橋の駐車場に到着。一般登山道を歩いて尾根に出ると獅子岩の凛々しい姿が。ここでお決まりのアドレナリン分泌開始。軽く右往左往して取付きに着くと、あれ、誰もいませんよ。あまり人気がないのかと思ったら、すぐ2パーティー到着。要するに一番乗りだったんですね。こりゃ気を引き締めないと。事前に藤野さんからトップを任されていたので、この日、自分が誰よりも先に登るんです。続々他のパーティーが到着。支度しながら自分のクライミングを見られるので、みっともない姿は見せられない。集中力も高まり程よい緊張感と期待感で、精神的にも最高の状態。
 既に不要な荷は置いていくことにしてデポしてある。持って行く荷は必要最小限だが、藤野さんは「セカンドで登るのでこれを担ぐ」という。私はクイックドローと確保器、数本のスリング、カラビナなど登攀具のみで、ほとんど空身。
 
獅子岩の遠景。なかなか大きな岩です。
 
  1P目と2P目は続けて登りました。約40m。
 見上げると1P目と2P目は直線的で続けても40mほどだ。「後続もいるから続けて登ろう」となり、さあ、クライム オン。1P目は傾斜も緩いが、2P目から傾斜が強くなってくる。中間支点はベルツのボルトでしっかりしている。順調に登ってビレイ点に到着。本チャンは先月の北岳バットレス以来なので、慎重に支点を構築する。登ってきた藤野さんを迎え、回収してきたクイックドローを受け取って、本来の3P目を見上げる。フレークがあり、面白そうだ。このフレークはレイバック風にクリアした。ルートの核心は4ピッチ目。傾斜が強く掴みやすいホールドはあまりないが、これも快調にクリアした。ビレイ点で藤野さんを迎える。「核心は越えた、後続Pとの距離も開いたので、一本立てよう」とのことで、しばらく休憩。
 
4P目の終了点から下を見下ろす。
二人がいるところは3P目の終了点。

 
 
 見上げると獅子岩のピークが近い。5P目、6P目も快調にクリア。6P目の終了点付近は登山道の脇道となっており、一般道を登ってきた登山者も入ってくる。このルートは実質的には6P目で終了と思う。7P目は6mほどの易しい凹角。獅子岩のピークは展望が良く、しばし休憩した。
 各ピッチに核心があり、ルート集のグレードより登り応えがある。シューズのフリクションは良好、ガバは少ないが、カチや縦ホールドなどが適度にある。レイバックやヒールフックなど、ホールドに合わせて体を振ったり、足を高く上げるムーブが必要だったり、と面白い(私の体感)。ぺルツのボルトが短い間隔で打ってあるので、安心感がある。
 内容的に手頃で、マルチとリード両方の練習が出来る、良いルートだと思う。オンサイトになりました。素直に嬉しいです。

 

<登攀タイム:2時間45分>
獅子岩南東壁取り付き9:40―獅子岩のピーク着12:25

 


個人山行報告目次へ     HOMEへ