会主催海外山行『カムチャッカ半島アバチャ山登頂と花のトレッキング』
「初めての会主催海外山行」を終えて

赤澤東洋

 初めての会主催海外山行・カムチャッカ半島アバチャ山登頂と花のトレッキングが、無事終了しました。にわか添乗員としては、12名のお客さんのご協力に深く感謝致します。
 そもそもの発端は、今年初め大恆纒\、古林顧問、別所事務局長のお三方から、「シリウス」も発足4年目を迎え、そろそろ交流の舞台を海外に求めたら如何がものかという声があがり、中道幹事にも加わって頂き「海外登山ワークショップ検討委員会」を立ち上げ、会員にアンケートをお願いしました。その結果海外の山への皆さんの関心が高い事が分かり、最初の会主催海外山行を実施することになったものです。
 カムチャッカ半島を選んだのは、期間が5日間という短さなので現役の方でも参加し易いという点が第一の理由でした。登頂を目指すアバチャ山も標高2741mという手頃な高さであり、これなら高山病の心配もありません。温泉もあり、いかにも北方風な景観や豊富な高山植物も見所の一つで、成田からわずか3時間という手近さが魅力でした。
 早速、世界の山旅を手がけて40年の実績を誇るアルパインツアーサービス社に相談すると10名以上纏まればシリウス単独の手配旅行として割引価格を提供してくれることになり見積書と企画書を作成 してもらいました。日本から添乗員さんは付きませんが、現地では日本語通訳もつくというので、それ なら何の問題もないということで実施を決定し、参加者を募った結果、ゲスト2名を含め12名の参加者がありました。
 参加会員の平均年齢は68.7歳、最高齢者は75.3歳の猪瀬さんでしたが、皆さん本当によく頑張りました。標高差1900mを1日で往復するアバチャ山は決して楽な山ではありません。特に堀内さん、萩原さんはよく頑張ってくれました。「行ける所まで行き、そこで待ってますから、どうぞ先に行って下さい」と言うので、「それはダメです」と却下。「とにかくもう少しだから頑張りましょう。日本へ帰ってから<あの時、もう少し頑張れば良かったなあ>と後悔する事になるから、今頑張りましょう。最後までずっと側に付いていますから大丈夫です」と叱咤激励しました。幸いに天気にも恵まれ、最後の力を振り絞って頂上に達することができ、いい思い出になったことと思います。励ました甲斐がありました。この時の様子をビデオテープに収めてありますので、ご覧頂きたいものです。
 残念ながら西田さんと上岡さんは途中でリタイアしましたが、2000m地点で退却された西田さんもあそこまで登れば、カムチャッカの山の雰囲気を充分に体感して頂けたことと思います。下山道の急な砂走りは富士山では味わえないもので、健康体でもしんどい思いをする箇所なので、腰痛の身では大変だったに違いありません。あと一歩という地点で退却の憂き目となった上岡さんはさぞ無念であったかと思いますが、よくあそこで決断されたと思います。引き返す勇気は貴重なものです。
 現地の登山へのバックアップ体制は万全で、日本語ガイドの他、山ガイドが3名付き添い、不慮の事態に個別に対応できるようになっており、安心できました。アルパインツアーサービス社も何かと気配りして頂き、感謝しています。
 同一行程の別グループでツアーリーダーの吉田さんが5名のお客さんを連れて行動しており、キャンプ地では、下山後イクラとタラバガニの手巻き寿司をご馳走してくれ、これは想定外だったので皆大喜びでした。
吉田さんは参加した岡田さんと顔見知りで、夜遅くまで盛り上がったものです。
 残念だったのは、花が盛りを過ぎあまり咲いてなかったことです。3年前のほぼ同じ時期に較べて、3週間位ずれている感じで、残雪も少なく拍子抜けしてしまいました。年によってこうも違うものなのでしょうか。
 初めての会主催・海外山行でしたが、13名中11名の登頂があり皆さん無事に帰国でき、大成功とは言えないまでもまずまずではなかったかと自画自賛しております。羽目を外すような人もなく、皆さん常識をわきまえた方ばかりで手がかからず、にわか添乗員としては大変助かりました。
 いろいろ至らぬ点もありましたが、ご容赦下さい。参加の皆さん、ご協力有難うございました。
 これを機に、今後も2回目3回目へと会主催の海外山行が続いてくれることを期待したいと思います。

 


海外登山紀行 目次へ

TOPへ