<<80日間自転車カナダ横断独り旅>>


<いよいよ出発>
 前夜お寿司やさんで歓送会を開いてくれた友人の高橋夫妻に見送られバンクーバーを出発。まずはバンフを目指した。高橋夫妻はこの所乗馬にハマッており毎年カナダの牧場に10日間程滞在し馬と遊んでおり、今年は私の計画に合わせ日本から飛んできてくれたのだ。
前後左右に取り付けた荷物が意外に重く、サドルに跨った途端に大きくよろけて転倒しそうになり真っ青。「こりゃヤバイ!」。テント泊・自炊が基本なので装備は25kgある。重さでふらつくハンドル、緊張でハンドル握る腕に力が入り、余計にフラフラしてしまう。
 80日間で一番緊張し草臥れたのが一日目のこの日だったと思う。大都市はどこでもそうだが、入るのはいいが出るのが大変で、抜け出す道が分からない。日本と違い標識が極端に少ない。尋ねようにも人が歩いてない。途中で見つけたアジア系の親父さんに声を掛けると「アイ キャン ノット スピーク イングリッシュ」とたどたどしい英語で逃げられてしまい、カナダが移民国家であることを改めて認識したものである。何とか、かんとかハイウエーに辿り着き、あとは快適にと行きたい処だったが、荷物も重いし、緊張したせいもあり初日からどっと疲れが出てしまい、60`位走っただけでキャンプ場の看板を見つけて飛び込んでしまった。
 この日、軽量化を計り持参した文庫本6冊を処分、水も飲料用に1.5リッターだけとし予備は持たない事にする。1日目でこれでは先が思いやられ、早々に当初のケベック市までの目標をトロントへと変更し、少し気が楽になった。

<夕食は毎日サッポロ一番>
 カナダのスーパーで大抵どこでも手に入るのがラーメンであり、バックには常に3〜4袋入れておいた。テントでもモーテルでも宿が決まれば、まずシャワーを浴び、それから酒屋を探す。カナダではコンビニやスーパーでは酒を売ってないので、近くに酒屋があればいいモーテルでありいいキャンプ場という事になる。
 まずはピーナツ等のナッツ類やビーフジャーキー、サラミソーセージを肴にビールを3本呑む。トマトや生レタスを囓る時もある。そしてラーメンとなる。これにはキャベツかタマネギをぶつ切りして一緒に煮立てる。夕食は毎日同じだったが、全然厭きなかった。
 朝は食パンにレタスとサラミソーセージを挟んでサンドイッチを作り、コーヒーか紅茶を沸かす。果物はリンゴかトマト、たまにオレンジ。
 昼はマクドナルド等で外食となるが、それは大きな町だけで田舎には食堂はおろか100`家一軒なーんにも無いという事もあり、最初の頃は行動食のキットカットとかチョコバーにリンゴを囓るしかなく、腹が減って、腹が減ってしょうがなかった。少し要領が分かってからは、朝、予備のサンドイッチを作りお弁当とした。

<トイレ>
 トイレは日本が一番だ。国道には何十`かおきに休憩所があり、トイレが設けられているが、その殆どがポットン便所である。臭いし、雨宿りも出来ない。日本のウオッシュレットは最高だ。

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