ヒマラヤの歩き方

小室 豊

ヒマラヤに入山するル−トとしてはネパ−ル、パキスタン、インド、中国などがあげられるが、それぞれの国情や地形、気候からいろいろな特徴がある。東ヒマラヤのネパ−ル、インドから入る場合のシ−ズンは10月から5月上旬までの冬期である。5月から9月までは雨期で、ヒルがうようよいるので行かない方が良い。これに対し西ヒマヤラのパキスタンや西インド方面は5月から10月までの夏がシ−ズンである。中国側のチベットからの入山も夏期がシ−ズンだが、チベットに入るためには特別の許可が要る。
 
それぞれの国には登山料かトレッキング料を取られる。登山料は入山する人数で異なるが、ネパ−ルからの入山料が最も高く、エベレストだと10人位で7万ドルが必要である。一方中国からの登山料は安く、5千ドル程度で済む。ヒマヤラの高い山へ行こうとするなら、日本ヒマラヤ協会のサマ−キャンプや未踏峰登攀の計画に参加した方がよい。ただし、協会の会員になることが必要だ。

ヒマラヤで一番気をつけなければならないのは高山病である。そのためには時間的に余裕を持って高度順応をしながら登らなければならない。カラバタ−ルやゴ−キョなら、少なくとも2週間程度の日数が必要である。

費用は2週間程度で、旅行社の募集トレッキングは30数万円以上であるが、個人で行けば23〜4万円で行ける。交通機関はネパ−ルでは飛行機と足、パキスタンでは飛行機とバス及びジ−プでかなりの所まで行ける。

食事はその土地のものを食べることができれば問題ない。ネパ−ルでは紅茶にミルクを入れたティ−とカップヌ−ドルで充分歩ける。特にティ−はできるだけ飲むようにすることが大切である。栄養補給だけではなく高山病対策にもなる。パキスタンはチャパティ(ナン)とカレ−が中心である。衛生上の問題は最近ではかなり良くなっているので、それ程神経質になる必要はないと思う。

安くて余り人のいないところへ行きたいならばヒマラヤであろう。ガイド料も安いので、資格を持っている人であれば安心できる。

 


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