◆2008「沢登り研修会」報告 西山常芳

  ◎第4回 奥多摩・竜喰谷((りゅうばみだに) −2008年度の研修会終了− 

 

〔日程〕 2008.09.23
〔場所〕 奥多摩・一ノ瀬川「竜喰谷」
〔参加者〕 西山常芳(インストラクター)、大塚忠彦(コーチ)、秋田勳男、太田英雄、川崎義文、
        玄 陽成(東京山楽会)、下 紀子(同)

 東京・代々木付近の風景を歌った「春の小川はさらさら行くよ…」の景観は、今では望むべくもありませんが、
明治神宮、井の頭公園、小石川、目黒不動と、あちこちにこんこんと湧き出る清水があります。沢登り研修会
も最終の4回目を迎え、その清水の源流を求めて、東京都が所有する水源林(土地、住所は山梨県)への沢
旅となった次第です。
 「秩父・多摩・甲斐・国立公園」の中心に当たる将藍峠へ突き上げている一ノ瀬川・竜喰谷は岩についた美
しい苔と原生林が奥秩父の雰囲気をいまだに残している、絶好のロケーションなのです。今回は紅一点、売
り出し中の沢女を含め7人での遡行と相成りました。

 アプローチに時間がかかるので、いつものごとく奥多摩湖畔にて、盛大なる前夜祭を行いました。消灯を夜
半12時に設定、満天の星のもと、シリウスなどの星談議に花を咲かせました。翌朝は6時起床で7時出発。
 途中、金山で働いていた遊女から秘密が露見することを恐れた信玄が、全員を淵に沈めたと言う、昼なお暗
い「おいらん淵」を見学、今日の沢が無事に終了できますようにと合掌しました。
 石楠花橋の入渓点から竜喰谷へは、一ノ瀬川を渡渉しなければならないのですが、今日は水量が多く、しょ
っぱなからロープのお世話になりました。数え切れないほどある滝はどれも直登でき快適です。この谷最大の
下駄小屋ノ滝「2段12メートル」はシャワークライムしなければならないのですが、今回の水量では飛ばされそ
うなので、右岸のリッジを登りました。

 
(一ノ瀬川本流を渡渉して竜喰谷に入る。水量多し)        (竜喰谷の始まり)

 この谷2番目の大滝、曲り滝は左岸に取りつきました。中段から逆層ぎみで、ホールドが少ないが、水流に
近づきシャワークライムした方が登りやすく、逆に、右の乾いた一枚岩の方がフットホールドもなく、かなりしょっ
ぱいです。
 水量比3:2の二俣で右奥に大岩を積み上げた堰堤(多分ワサビ田)が見えればもう少しです。ダテノ沢に入
り2本目を上がると林道に丸木橋が架かり、これ以上は木、雑木がかぶっていて遡行不能で終了となりました。
 林道奥は通行止め、三ノ瀬方面へ行き将藍峠からの登山道(林道)と合流すれば一本道。約1時間チョイで
出会いへ戻れました。
   <タイム>入渓9:10、大常木林道15:10、三ノ瀬民宿16:30     (写真提供=下さん)

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 今回の竜喰谷で、平成20年度の「沢登り入門研修会」は終了しました。4回の参加者延べ人数は40人(男性
15人、女性4人)。40代2人、50代3人、60代以上14人、でした。
 技術的には基本をマスターすることが、やはり大事と思います。回を重ねるごとに、上達している様子がうかが
えました。まだロープをつかむような場面もありますが、数多く沢に入ることがグレードアップの秘訣です。経験が
多くなれば、また別の楽しみも増えることと思います。山菜取り、きのこ狩り、釣り、ビバークの焚き火など、いろ
いろと楽しい企画もこれからの課題でしょう。

 協力していただいた大塚さん、サポートの方々、参加された方々、有難うございました。楽しんでいただけたで
しょうか?来期に向け、さらなるチャレンジをまた行いたいと思った2008年度4回の研修会でした。

 <2008年研修会参加者>(順不同)
  秋田勳男、猪瀬精孝、太田英雄、大塚忠彦、川崎義文、坂井康悦、杉本 忠、鳥澤 誠、名倉登美枝、
  西山常芳、浜口武夫、福寿新一、別所宗郎(以上「山なかま・シリウス」)。
  長岡和義、鉄羅健二、澤口千鶴子、佐藤加子、下 紀子、玄 陽成(以上「東京山楽会」)。


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