■「一般縦走で役立つロープワーク〜悪場の通過法他〜」研修会報告

簡易懸垂下降の実習 ロープを使用した悪場の通過法の実習

◆研修会に参加して                        北村 順

◎日時  : H21年9月28日               
◎場所  : 湯河原・幕山公園幕岩               
◎参加者  : 大塚忠彦(L)、中道宏、服部悦男、迫畑勝三、北村順

 昨年、一昨年に続き3度目のロープワーク研修会参加であったが今回は臨場感のある実地研修ということで聊かの不安と期待感を持って参加した。
先ずは幕山公園広場での基本訓練で、簡易ハーネス作成、エイトノット、フィッシャーマンズノット、クローブ・ヒッチ、ムンター・ヒッチ、フリクション・ノット、シートベンドなどのロープ結束法及びそれらを使ったトラバース、セルフビレイ、簡易懸垂下降法を習った。テキストを読み、練習してきたはずなのになかなか巧くいかない。まだまだ手が覚えていないことを痛感した。また、同じ“結び”でも“結び方”には色々あり、自分の得意な“結び方”を一つしっかり手に覚えさせることが大事だと再三教えられた。
午後からはいよいよ幕岩での実地研修となった。ウィークデーにもかかわらず幕岩にはクライマーが集まっていた。
幕岩裏側の急登で登下降実習開始。インストラクターがセットしてくれたロープにシュリンゲをクレムハイストで巻きつけ、カラビナで簡易ハーネスに連結して登り始めた。生まれて初めての本格的(?)ロック・クライミングで、少し緊張した。3点確保だけでも十分登れる岩場なので恐怖感は全く感じないが、登っていると簡易ハーネスのオムツがズレ落ちてくるし、クレムハイストのストッパーを動かすのを忘れてストッパーに下方へ引かれる始末。また、中間支点通過の都度、セルフビレイをとってからストッパーを架け替えるのにも手間取った。
下降も同じ要領で下ったが、ロープに支えられて転・滑落しても大丈夫、という安心感は大きかった。それにしても登下降に時間のかかったこと!!時間はかかっても必ずセルフビレイをとることは安全・安心登山の第一歩であることを認識した。安全は時間に優先する!か。上下で辛抱強く指導してくださったインストラクター諸氏に感謝!感謝!である。
次いで簡易懸垂下降を傾斜の緩い一枚岩を使って練習した。ロープと簡易ハーネスのカラビナをムンターヒッチで結び、制動をかけながらゆっくり下降した。実に気持ちが良かった。この爽快感、面白さは忘れられない。もっと練習したかったが時間切れとなったのは残念であった。
本格的な岩・沢登りに今更挑戦するつもりはないが、今回のような臨場感のある実地訓練はイザという時必ず役立つと思った。そのためにももっと練習を積み、カラダにしっかり覚え込ませることが必要だと痛感した。将来このような研修会があれば是非また参加したい。(指導者は大変ご苦労でしょうが---。)

 

◆研修会に参加して                         迫畑勝三

 集合場所であるJR湯河原駅前に8時50分参加者全員の顔が揃った。天気は曇りであるが、時々雲間から陽が射している。なんとか大丈夫だろうという感じであった。バスで幕岩公園へ。公園の管理棟の隣の広場が午前中の研修会場である。参加者のうち生徒が2名、これ以上望めない研修会になった。
 内容については、事前に大塚さんから資料が送られていた。ロープ結束法、悪場の通過法、簡易懸垂下降法等々。どこかでロープ結束の名前を聞いたようであったが、カタカナ文字でさっぱり忘れてしまった。簡易懸垂下降法にいたっては初めての経験である。こうなったら開き直って基本から習得しようと思って臨んだ。
 午前中にロープ結束の実技、下降懸垂ができるようにシュリンゲで簡易ハーネスのつくり方、カラビナとロープとの結束の仕方等々をやり、午後からは午前中にやったことを現場でやりましょうと幹事の大塚さんから今日1日の段取りの説明があり、早速広場の立木を使ってロープを張り、剣岳の蟹のヨコバイ、タテバイを想定した舞台ができた。
 先ず、テープシュリンゲで簡易ハーネスを上下につくり、これを安全環付カラビナで結合する。次に、クレムハイムストッパーをつくってロープに巻きつけてカラビナを通し、最後に、ハーネスの安全環付カラビナと結ぶと、ビレーができる。クレムハイムストッパーをずらしながら悪場をトラバースする一連の動きをやってみる。最初は大塚さんのようにはなかなかできないが、反復してやるうちにできるようになった。
 次は、簡易懸垂下降法である。ロープでハーフクロブヒッチをつくり、これに安全環付カラビナを通す。これに簡易ハーネスを結び、片手でロープをブレイキングしながら降りる。ハーフクローブヒッチを間違うと滑落してしまうと脅かされ、確実にできる時間をとってもらった。
 昼食後岩場に向かう。すでに3〜4組のパーティが入っている。岩場の裏側のルートを縦走路に仕立てるが、結構厳しい。ハーネスはすでに広場で準備していた。足元が危なっかしいので、上と下で二重にビレーしてもらった。登るのと降るのとは、テンションの違いで足場の確保や手の運びが煩雑で、手間とってしまった。
 次に懸垂下降するために、近くの岩場の上の樹木を支点にしてダブルロープを垂らしてもらう。岩場の上に行き、教わったとおりの結びをし、ブレーキング側のロープが安全環付カラビナのゲート側に来ていないか確認してもらい、またブレーキングのロープを手から離すことのないように注意を受けて、下降した。1回目は夢中であったので、再度試みた。
ブレーキング・ロープは、腰の辺りでスピードに合わせて強く引いたり、弱く引いたり扱うのがコツかな。この簡易懸垂法は不十分であるので、あくまでも脚で降りる際のバックアップ程度であるとの説明があった。
 最後は、登高の際の、鎖の梯子ロープつくりである。インラインフィギャアエイトの結び方をやり、終わりとなった。
 午後2時過ぎまで休憩もせず、緊張の連続で、大塚さん、中道さん、服部さんにお世話になりました。天気に恵まれ、充実した研修の帰りは、途中の「しとど庵」で疲れを癒しました。

 


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