◆ 阿武隈川・西沢 −核心は水沫飛ぶ30メートルの大滝− 西山常芳

  10月初旬、紅葉にはチト早いかなと思いましたが、メンバーも揃ったので、阿武隈川、南沢へ遡行することと
相成りました。東京駅、八重洲口に昼集合にて一路、東北道、白河インター経由甲子温泉に向かいました。
国道289号線はいまだ開通してない所が2ヶ所もある国道です。この甲子温泉の所もその1ヶ所で、車も通れ
ない登山道に国道289号と道路標識が設置されています。
 適当なテン場を探していましたが、温泉手前、キョロロン村と言う遊園地の駐車場が開放されていましたので、
東屋の脇にてテン泊、宴会となった次第です。今回は勤労者山岳会より体力抜群の新人女史も同行している
おかげか、中年山屋も夜更けまで談論風発、若返った次第です。
 翌朝、多少酒の匂いを漂わせながら、5時に起床、南沢出会いにて、草鞋をなくしたというひと騒動もありまし
たが、なんとか9時に、標高差、約600Mの甲子山への遡行開始となりました。
 この沢は滝が10ほどあり、いずれも登攀可能です。岩が一部、ゆるんでいる所もあり、気を使いますが、問題
ないでしょう。核心は30メートルの大滝で、下部はナメが5メートルぐらい、中間部は15メートルぐらい、水が空中
に飛翔、上部が10メートルぐらいの岩稜となっています。右岸の緩傾斜をヘツリぎみに登り、中間部の岩場に取
りつき、水流側へトラバースしながらのリッジ登攀となります。ホールドはしっかりしているので、快適に登れるで
しょう。
 30分ほどのヤブ漕ぎで甲子山への登山道に出ます。大峠を越えて官軍が会津に攻め入った、会津街道が彼
方に見え、また、吾妻連峰から飯豊連峰までの山並み、快晴の紅葉とあいまって、素晴らしい頂上の景観でした。
下山中にブナシメジをゲット、後日、味噌炒めにして晩酌の一品となり、堪能しました。もちろん、甲子温泉にて一
汗流したのは言うまでもありません。
  甲子温泉(大黒屋駐車場)―(30分)―南沢出会い−(190分)−甲子山頂−(70分)−大黒屋。
  <遡行時間は休憩時間含まず>  メンバー=西山(CL)、他5名(東京山楽会)


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