◆「雪崩・雪山セルフレスキュー研修会」(2008.02.08〜09)

 冬山・雪山入門研修会の一環として、雪崩・雪山セルフレスキューの研修会を行った。当日は小雪が舞う天候で
あったが、杉坂インストラクターの指導で全員熱心に実習した。特に雪質観察、積雪層断面観察では、ルーペ、ハケ、
着色剤、バーナーなどの観察用ツールが痒い所に手が届くほど用意されていて、微妙な積雪層の違いまではっきり
と理解できた。
 また山荘内での机上研修も杉坂インストラクターの熱のこもった講義と、工夫された雪質模型、雪崩発生のメカニズ
ム模型、CPRのためのダミー人形などによって大変理解しやすいものとなった。

 (参加者の報告を下記に掲載してあります)。

【期日、場所】2008.02.08〜09、苗場・赤澤山荘「グルッペ・ネージュ」付近
【参加者】藤野(幹事兼)、杉坂、赤澤、大塚(以上インストラクター)、秋田、猪瀬、岡田、斎藤(幸)、迫畑、名倉、
      萩原、堀内、中道 以上13名。
【机上研修】雪質、雪層、雪崩発生のメカニズム、雪崩回避のしかた、アバランチ・トランシーバーの種類と仕組み、
        埋没者の捜索方法、ケア、CPR
【実地研修】雪質・雪層断面観察、弱層テスト(ハンドテスト、コンプレッションテスト)、アバランチ・トランシーバーと
        プローブによる埋没者捜索、埋没体験(半身)、シェルターとしてのスノーマウント構築など

  
積雪層の断面観察。メチレンブルーを噴射しバーナーで         コンプレッション・テストの実習
焼くと微妙な雪層の違いが鮮明に。

 
半身埋没体験とプロービングでの感触を確かめる。        スノーマウントの構築

 
ダミー人形を使ったCPRの座学(山荘にて)                研修を終って山荘の玄関前で

■「雪崩・雪山セルフレスキュー研修会」〜雪崩に埋もれて〜  名倉登美枝

 この研修会は、「冬山・雪山入門研修会の」一環として、苗場の赤澤さんの山荘をお借りして開かれました。
山荘の前に雪がたっぷり降り積もっていたおかげで、2日間とも机上講習は暖かい山荘内で、実地は山荘の
前で行われました。
 杉坂インストラクターの熱のこもった講義には思わず身を乗り出し、過去の雪崩による事故の詳しいお話には、
身が引き締まる思いがいたしました。初日の弱層テストで、方法は今まで何度も聞いて解っていたつもりでした
が、実際に自分でテストをしてみると、雪の円柱を抱えて手先を少し引いただけで10cmほどの厚みの雪がスッ
と落ちてきて、雪崩がどこでも起きる可能性があることを知り、軽い気持ちで雪山に行ってはいけないことを教え
られました。
 埋没体験のための大きな穴がすでに2ツ作ってあり、誰かが入るでしょうとお任せ気分でいましたが、杉坂イン
ストラクターのお話を伺っているうちに、これは是非体験してみなくては!!と思い手を挙げました。下にはテント
マットを敷いて頂いたので、ダメージはかなり低いと思っていました。皆さんがうれしそうに雪を掛けてくれて、暫
くの間は「平気よ!!」と足を動かしていましたが、身体に付いた雪がどんどん融けて冷たくなり、被せられた雪
が締まってきて足も手も動かなくなりました。この埋没体験は、顔は出して胸から下だけに雪を20〜30cmほど
載せただけなのに、不安が広がっていきました。掘り出されてから胸が苦しくなり、深呼吸を何度も繰り返しまし
た。
 講義の中では低体温症や気道の確保、加温の方法などを教わりましたが、その対処方法の大切さを身を持っ
て知ることができました。今、改めて教科書を読み返してみると、あの冷たさが甦ってきます。


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